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夏休みの放課後等デイサービスで、一日ボランティアをしてきました【奈良市のリコラさん】

奈良市 重症心身障害児童デイサービスRicora(リコラ)

こんにちは、アンドナの野村です。

先日、奈良市にある重症心身障がい児のための施設「リコラ」さんで、1日のボランティアをしてきました。

リコラは、児童発達支援や放課後等デイサービスを運営している施設です。
普段、私はスタッフの皆さんと「どんな施設にしていきたいか」を一緒に考え、その思いを形にしていく伴走をさせていただいています。

でも今回は、そのお仕事ではありません。
夏休みということもあり、「1日、ただのお手伝いに行ってもいいですか?」とお願いをして、ひとりのボランティアとして参加してきました。

私は障がい福祉に14年関わってきましたが、実は直接的な支援はほとんどしたことがありません。
食事介助も、トイレ介助も、お風呂の介助もほぼ未経験。
つまり今回は、「福祉のボランティアをやってみようかな」と迷っている方と、かなり近い目線での参加です。

そんな私が体験した、夏休みの放課後等デイサービス。
そこには、ただの「忙しい一日」という言葉では片付けられない、たくさんの温かいドラマがありました。

🚐 9時30分、ハイエースで細い道をぐいぐいと

一日は朝礼から始まります。
前日の子どもたちの様子や連絡事項、今日来る子どもたちについて、スタッフみんなで丁寧に情報を共有します。

それが終わると、さっそくお迎えへ。
私が同乗したのは、3人の子どもたちを迎えに行く便です。
重度の障がいがある子どもたちは車椅子を利用していることも多いため、送迎車も大きなハイエースになります。

住宅街の細い道を、その大きなハイエースでぐいぐい進んでいく運転手。実は、リコラの看護師さんです。
今でこそ狭いところでも上手に切り返して頼もしい運転を見せてくれますが、リコラに入るまでは、こんな大きな車を運転したことはなかったそうです。
最初は「無理、無理。こんなの運転できない!」と思っていたのだとか。

少しずつ練習を重ねて、今ではすっかり心強いドライバーに。
普段お話ししている姿とはまた違う、そのかっこいい背中に、現場で働く方々の見えない努力を感じました。

「送迎」は、ただの移動時間ではありません

3人の子どもたちを順番に迎えに行くなかで、ご家族と言葉を交わします。

「昨日はよく眠れましたか?」
「今日、何か気をつけることはありますか?」
「体調に変わりはありませんか?」

連絡帳も確認しながら、その日の様子をしっかりと受け取ります。
リコラに通う子どもたちの約7割は、医療的ケアが必要です。
そのため、車の中でも体調に変化がないかを見守り、必要があれば水分補給や痰の吸引を行います。

最初に乗った子は、施設に到着するまで約1時間。
3人を迎えて戻るまで、たっぷり1時間以上かかりました。

障がい福祉を知らない方から見ると、「送迎」はただの送り迎えに見えるかもしれません。
しかし、送迎は家族や家庭との接点。そこから得られる情報は多く、とても大切な時間です。

ご家族からその日の子どもの状態をバトンタッチし、車内でも体調を見守る「大切な支援の時間」なのです。

到着からの慌ただしさと、「お化け」の予習

施設に到着した11時ごろには、ほかの送迎車も続々と戻ってきます。
トイレに行き、水分補給をして、体調を確認して……次々に到着する子どもたちを、スタッフが連携して受け入れていきます。

みんなが揃って少し落ち着いたところで、絵本の読み聞かせが始まりました。
テーマは「お化け」。
実は、午後の活動が「お化け屋敷」なのです。
ただ、いきなり暗いところに入れて「怖かったね」で終わるのではなく、「お化けってなんだろう?」「どんなものなんだろう?」と絵本で知ってもらってから、午後の体験へとつなげます。

その細やかな工夫に「なるほど」と感心しているうちに、あっという間にお昼の時間になりました。

「ちょっとやらせて」と言わなかった理由

12時からは昼食です。
スタッフの皆さんが一斉に準備に入り、それぞれのお弁当を温め、医療的ケアが必要な子、口から食べられる子、それぞれに必要なセッティングをしていきます。

この日、私は一人の男の子の食事介助をさせてもらいました。
お母さんが作ってくださったお弁当を、一口ずつ食べてもらいます。

実は私、これまで福祉に関わる仕事をしてきましたが、「ちょっと食事介助をやらせてください」とお願いしたことはほとんどありませんでした。
それには、私なりの理由があります。

私は直接支援の専門家ではありません。
だからこそ、現場の仕事を「ちょっと体験してみたい」という興味本位だけでやらせてもらうことに、戸惑いがありました。
一度おむつを替えたからといって排泄介助が分かるわけではなく、一度食事介助をしたからといってそれを語れるわけではないからです。
毎日、一人ひとりの状態を見ながら支援している現場スタッフの仕事は、決して簡単なものではありません。

でも、この日はボランティアです。
一日の中に一緒に入り、自分にできることをお手伝いする日。
だからこそ、スタッフさんに教わりながら、いまの自分にやらせていただけることを一つずつ、大切に経験させてもらいました。

食事が終われば歯磨き、そして順番にトイレへ。
少しのまったりとした時間の裏で、スタッフはすでに「次の準備」に動いていました。

👻 本気のお化け屋敷と、子どもらしい経験

午後2時、いよいよお化け屋敷のスタートです。 子どもたちが別室にいる間に、扉を閉め、シャッターを下ろして光を遮断。手作りのお化けがあちこちに配置され、仕掛けも満載です。「夏休みだし、ちょっとやってみよう」というレベルではなく、仕事の合間を縫って準備された、かなり力の入った本格的なものでした。

2人ずつ中へ入る子どもたちの反応は、本当にそれぞれです。

怖くて「わーっ!」と泣いてしまう子
意外とケロリとして平気な子
なんだか楽しそうに笑っている子

「泣くくらいなら、わざわざ怖いことをしなくてもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
でも、怖いものを見て泣くことも、「私は暗いところが苦手なんだ」と知ることも、「意外と大丈夫だった!」と発見することも、すべて大切な経験です。

重度の障がいがあっても、医療的ケアが必要でも、子どもは子ども。
いろんなものを見て、聞いて、触って、笑ったり、びっくりしたり、ときには泣いたりする。
そんな「子どもらしい経験」をたくさんしてほしい。


リコラが大切にしている思いが、このお化け屋敷にはぎゅっと詰まっていました。

看護師さんも、全力でお化けになる

そして私が何より好きだったのは、スタッフの皆さんの「本気度」です。

リコラには看護師や保育士など、さまざまな専門職がいます。
医療的ケアが必要な子どもが多い以上、看護師さんには命を守る大切な役割があります。
でも、「お化け屋敷は療育だから、保育士さんの仕事ですよね」なんて線引きは一切ありません。
看護師さんも、本気でお化けになります。
子どもが入ってきたら、全力で驚かせにいくのです。それがリコラです!


安心・安全に一日を過ごす。
それはもちろん一番大切なことです。
でも、それだけではない。家庭でも学校でもない「施設」という場所だからこそできる経験をつくるため、職種を越えてみんなで考え、本気でやる。
1週間ほどしか行わないのがもったいないくらい、本当にいいお化け屋敷でした。

🧹 子どもたちが帰ったあとの、もうひとつの顔

楽しい活動が終わり、午後3時近くになると帰る準備が始まります。
トイレ、水分補給、おやつを済ませ、送迎車が次々と出発。
帰りは30分ほど車に乗る子に同行し、施設へ戻ってきました。

「これで一日終了」……ではありません。
子どもたちが帰った施設では、一斉に大掃除が始まります。

掃除機をかけ、モップをかけ、使った道具やマットを一つずつ消毒する。
残ったスタッフで手分けして一気に進め、私も一緒に掃除をしました。
それが終わるころ、送迎に出ていたスタッフが戻ってきて、そこから翌日の準備や事務仕事が始まります。

夏休みの放課後等デイサービスは、朝から夕方まで子どもたちがいます。
学校がある時期なら日中にできる業務も、夏休みはその時間がありません。
だから、子どもたちがいないわずかな時間に、ものすごいスピードで業務を進めていくのです。
「夏休みは忙しいですよ」と耳で聞くのと、実際に一日を共に過ごすのとでは、違う景色がありました。

💡 専門家でなくても、私たちにできること

私は福祉の専門家ではありませんし、医療的ケアも一人でのトイレ介助もできません。
でも、そんな私でも一日一緒にいると、できることはいろいろありました。

  • 送迎に同行し、見守る
  • 食事の準備や、片付けを手伝う
  • スタッフに教わりながら食事介助をする
  • 活動を盛り上げ、一緒に楽しむ
  • 施設を掃除し、道具を消毒する

「福祉施設でのボランティア」と聞くと、何か専門的なスキルが必要だと思われがちです。
もちろん、誰でもできることと専門職にしかできないことは、安全のためにきちんと分かれています。

【ボランティアをしてみたいと思った方へ】

今回のようなボランティアは、どの福祉施設でも受け入れているわけではありません。
特に重症心身障がい児や医療的ケア児が通う施設では、安全面も含め、誰でもすぐに受け入れられるものではないと思います。

でも、リコラには、外から来た人も一緒に子どもたちと過ごせるように受け入れる土壌があります。
だから私も、「夏休みの一日、お手伝いに行ってもいいですか?」と参加することができました。

もし病院で働く看護師さんや学校の先生、一般企業で働く方などが、
「福祉の現場をちょっと知ってみたい」
「夏休みだけなら関われるかも」と思ったら、リコラにはこんな関わり方もあります。


毎週ではなくても、一日だけでも。
いつもの仕事とは少し違う場所で、子どもたちと一日過ごしてみる。
そんな関わり方をしてみませんか?

▶重症心身障害児童デイサービスRicora(リコラ)Instagram

ちなみに、大阪府八尾市のノーサイドさん(放課後等デイサービス・生活介護)では、職場体験やインターンも受付中です!(未経験者大歓迎)
1~3日間、まず福祉を体験してみたいという方向けです。

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