【先生向け】つまみ食いOK!「出張ボッチャ」をもっと楽しむ活用レシピ(総合学習編)

こんにちは!アンドナの野村です。
以前、「出張ボッチャ」の活用レシピとして、低学年編をご紹介しました。
今回は、もう少し学びを広げた「総合学習編」です。
出張ボッチャで選手たちと出会い、一緒にゲームをする。
その中で子どもたちには、
「どうしてこの道具を使っているんだろう?」
「どうしてボッチャなら一緒にできるんだろう?」
「学校やまちにも、いろいろな工夫があるのかな?」 と、いろいろな「?」が生まれるかもしれません。
総合的な学習の時間では、その「?」をそのまま次の学びにつなげてみるのも面白いですよね。
もちろん、ここで紹介するものは授業のマニュアルではありません。
「この問いは使えそう」 「ここだけやってみようかな」 と思うものがあれば、自由に“つまみ食い”してください。
出張ボッチャが、子どもたちの「もっと知りたい」の入口になれば嬉しいです。
🍳 活用レシピ1:事前学習
「みんなが一緒に楽しめるって、どういうこと?」
【この時間の味わい(ねらい)】
出張ボッチャの前に、「みんなが一緒に参加する」ということについて、自分なりに考えてみる。
【先生のスパイス(問いかけ例)】
「同じルールでやることが、本当にみんなにとって同じかな?」
「足が速い人も、ゆっくりな人も、一緒に楽しめるスポーツってどんなもの?」
「できないことがあるとき、何を変えたら一緒にできるだろう?」
【考えてみること】
体育の授業、運動会、休み時間の遊び、クラブ活動など、自分たちの身近なところから考えてみます。
「参加しにくかったことはある?」
「誰かが困っていたことはある?」
「工夫したら、うまくいったことは?」などを出してみても面白そうです。
💡 アンドナからのワンポイント
ここでは、まだ「障がい」だけにテーマを絞らなくても大丈夫です。
まずは、「みんなが同じでなくても、一緒にできる方法はあるのかな?」という問いを持って、当日の出会いにつなげます。
🍳 活用レシピ2:出張ボッチャ当日
「なぜ、みんなでできるんだろう?」
【この時間の味わい(ねらい)】
ボッチャを楽しみながら、「一緒に参加できるための工夫」を見つける。
当日は、何より一緒に楽しむことが一番です!
その中で少しだけ、「ボッチャは、なぜいろいろな人が一緒にできるんだろう?」という目でも見てみます。
【見つけてみたいこと】
・道具にはどんな工夫がある?
・ルールにはどんな工夫がある?
・人によって投げ方は違う?
・サポートする人にはどんな役割がある?
・自分たちと同じところは? 違うところは?
そして、気になったことがあれば選手本人にも聞いてみましょう!
「ボッチャのどんなところが好き?」
「難しいところは?」
「どうやったら上手く投げられる?」
障がいについて質問する前に、まずは一人のボッチャ選手として話してみる。
そこから自然に生まれる疑問を大切にしてもらえたら嬉しいです。
🍳 活用レシピ3:事後学習
「もっと知りたいこと」を集めてみよう
【この時間の味わい(ねらい)】
体験から生まれた疑問を、次の探究につなげる。
出張ボッチャが終わったら、
「今日、初めて知ったことは?」
「思っていたのと違ったことは?」
「もっと知りたくなったことは?」を出してみます。
たとえば…
・ボッチャはどうやって生まれたの?
・他にはどんなパラスポーツがある?
・車いすで生活すると、どんな工夫が必要?
・学校やまちなかにはどんな工夫がある?
・ボッチャの道具は誰が考えているの?
・福祉施設ってどんなところ?
・障がいのある人はどんな仕事をしているの?
いろいろな方向へ広がりそうですね!
子どもたちが気になったテーマごとに分かれて調べてみるのも面白そうです。
🍳 活用レシピ4:調べ学習
「本だけじゃなく、人やまちにも聞いてみよう」
【この時間の味わい(ねらい)】
一つの疑問を、いろいろな方法から調べてみる。
調べる方法は、本やインターネットだけではありません。
▶図書館で調べてみる
障がい、福祉、パラスポーツ、ユニバーサルデザインなどについて、本や地域資料から探してみる。
▶学校の中を調べてみる
スロープ、手すり、案内表示など、「みんなが使いやすくなるための工夫」を探してみる。
▶まちを見てみる
駅、道路、公園、お店、公共施設などを見て、「どんな工夫がある?」「もっとこうなったらいいな」を探してみる。
▶人に聞いてみる
行政、企業、地域の人、福祉の仕事をしている人など、実際に関わっている人へ話を聞いてみる。
同じテーマでも、調べる場所や相手が変わると、見えてくるものも変わります。
🍳 活用レシピ5:福祉施設とつながってみる!
「福祉の仕事をしている人に聞いてみよう」
【この時間の味わい(ねらい)】
本やインターネットだけでは分からない、実際の福祉の現場について知る。
出張ボッチャをきっかけに、
「福祉施設ってどんなところなんだろう?」
「スタッフはどんな仕事をしているんだろう?」という疑問が出てくるかもしれません。
そんなときは、地域の福祉施設のスタッフに直接聞いてみるのもおすすめです。
【聞いてみたいこと】
・福祉施設では、どんな人が過ごしているの?
・スタッフはどんな仕事をしているの?
・みんなが過ごしやすくなるために、どんな工夫をしているの?
・仕事をしていて面白いことは何?
・困ったときはどうしているの?
出張ボッチャで一緒に活動しているノーサイドのスタッフに聞いてみる、という方法もありますし、学校の近くにある福祉施設とつながってみるのも素敵ですね。
💡 アンドナからのワンポイント
ここでも、「障がいのある人は困っている人」「福祉施設は助けてあげる場所」だけにならないようにしたいと思っています。
福祉施設にも日常があり、仕事があり、楽しみがあり、人との関係があります。
実際に働いている人の話を聞くことで、「福祉って、もっと自分たちの暮らしに近いものなんだ」と感じてもらえるはずです。
🍳 活用レシピ6:地域へ広げる
「私たちのまちは、みんなが暮らしやすい?」
【この時間の味わい(ねらい)】
ボッチャで見つけた「工夫」という視点を、地域へ広げてみる。
・車いすでも入りやすいお店はありますか?
・公園は誰でも遊びやすい?
・駅の案内は分かりやすい?
・地域のイベントには、いろいろな人が参加できる?
・災害時の避難所は誰でも使いやすい?
まちを歩いて探してみると、「こんな工夫があった!」だけではなく、「ここは、どうしたらもっと使いやすくなるだろう?」という新しい問いも生まれます。
🍳 活用レシピ7:やってみる
「自分たちなら、何を変えてみる?」
【この時間の味わい(ねらい)】
調べて終わるのではなく、自分たちなりに考えたことを小さく試してみる。
「みんなが楽しめる運動会」を考える(誰でも参加しやすい競技やルール)
「みんなが遊べる公園」を考える(遊具、案内、休憩場所など)
「学校の中の工夫」を考える(「ここがもう少しこうなったらいいな」を探して提案する)
「新しいスポーツ」をつくる(身体の動かし方が違っても、一緒に参加できるルール)
大きなことを実現しなくても大丈夫です。
「考える → やってみる → うまくいかなかったところを考える → またやってみる」
その繰り返しも、面白い学びになります。
🍳 活用レシピ8:最後にもう一度
「最初の自分は、どう考えていた?」
【この時間の味わい(ねらい)】
学習の最初と最後を比べて、自分の考えの変化に気づく。
最初に考えた、「みんなが一緒に楽しめるって、どういうこと?」という問いへ、もう一度戻ってみます。
出張ボッチャをする前。
選手と会ったあと。
調べてみたあと。
話を聞いたあと。
自分たちで考えてみたあと。
最初と答えは変わったでしょうか?
「正しい答え」を一つ決める必要はありません。
「最初はこう思っていたけれど、今はこう思う」と、自分の変化に気づくことも大切な学びになります。
🍴 おすすめの「つまみ食い」コース
今回も、全部を使っていただく必要はありません。
クラスや学年に合わせて、こんな組み合わせはいかがでしょうか?
🟢 ちょこっと探究コース
問いを一つ考える ➡ 出張ボッチャ ➡ 「もっと知りたいこと」を出してみる
🔵 調べてみようコース
問いを考える ➡ 出張ボッチャ ➡ 図書館などで調べる ➡ まとめる
🟡 福祉とつながるコース
出張ボッチャ ➡ 疑問を出す ➡ 福祉について調べる ➡ 施設のスタッフに聞く ➡ もう一度考える
🟠 地域へ広げるコース
問いを考える ➡ 出張ボッチャ ➡ 調べる ➡ 福祉施設や地域の人に聞く ➡ まちを見てみる ➡ 自分たちなりのアイデアを考える
子どもたちから出てきた「?」によって、途中から別の方向へ進んでいくのも総合学習の醍醐味ですね。
最後に|出張ボッチャを、探究の小さな入口に
出張ボッチャは、障がいについて「正しい答えを教えるため」の時間ではありません。
選手たちと一緒にボッチャをして、「楽しかった!」「強かった!」「こんなやり方もあるんだ!」
そして、「なんでだろう?」が一つ生まれる。
そこから、本で調べてもいい。
図書館へ行ってもいい。
福祉施設のスタッフに聞いてもいい。
地域へ出てみてもいい。
自分たちで何かを考えて、やってみてもいい。
一つの体験から、いろいろなところへ学びが広がっていったら面白いと思っています。
今回のレシピも、先生方の授業づくりの中で使えそうなところだけ、自由につまみ食いしてください。
そして、出張ボッチャをお申し込みいただいた学校で、
「このテーマにつなげたいけれど、どうかな?」
「障がいについて、この聞き方で大丈夫?」
「福祉施設の人にも話を聞いてみたい」 など、迷うことがあれば気軽に聞いてくださいね。
私たちアンドナにも、ノーサイドにも、すべての答えがあるわけではありません。
でも、それぞれが持っている経験や知識を出し合って、一緒に考えることはできます。
子どもたちの教育を学校だけで考えなくてもいい。
福祉のことを福祉施設だけで考えなくてもいい。
学校、図書館、福祉施設、地域、企業、行政。
それぞれのできることを少しずつ持ち寄る。
そして、子どもたちができることもたくさんあります。
出張ボッチャが、そんな人たちがつながる小さなきっかけになれば嬉しく思います。
【先生向け】つまみ食いOK!「出張ボッチャ」をもっと楽しむ活用レシピ(低学年編)
「出張ボッチャ」を、もっと学校での学びに活かしてもらえたら。小学校低学年向けに、事前授業・当日・事後授業で使える問いかけや活動例を「活用レシピ」としてまとめまし...
【先生向け】もう一歩、考えてみる。「障がいって、どこにある?」出張ボッチャ活用レシピ(総合学習・高学年編)
「障がいがある人はかわいそう」で終わらず、「できないって誰の問題?」「環境が変わればできることも変わる?」と考えてみる。出張ボッチャの体験から、障がいを入口に社...

