
こんにちは、アンドナの野村です。
福祉施設や教育、地域での取り組み、そして行政の事業など、さまざまな現場にご一緒していると、いつも強く感じることがあります。
それは、「社会にとって本当に大切な活動ほど、その価値が外には伝わりにくい」ということです。
日々の現場では、今日もたくさんの工夫や挑戦が行われていますよね。
誰かの暮らしを支えること。
子どもたちの学びを広げること。
地域の中で小さなつながりを育てること。
人と人との間にある壁を、少しずつやわらかくしていくこと。
でも、その活動の意味や価値を、外に向けて「言葉」にするのは決して簡単なことではありません。
「発信した方がいいのはわかっているんだけど……」
「でも、何をどう伝えればいいのかわからない」
「自分たちの活動の価値を、うまく言葉にできないんです」
現場でお話を聞いていると、そんな悩みの声を本当によく耳にします。
この記事は、福祉施設や教育、地域との取り組み、行政の事業などに関わる方に向けて書いています。
広報を頑張りたい。でも、その前に、自分たちの活動の「本当の価値」を整理したい。
そんな方に向けて、アンドナが大切にしている「広報の前に必要なこと」について少しお話しさせてください。
広報には、いろいろな形がありますよね
「広報」とひとことで言っても、その役割はさまざまです。
SNSで多くの人に知ってもらう広報。
商品やサービスの購入につなげる広報。
イベントの集客を増やすための広報。
団体や事業のイメージを整える広報。
そして、活動の背景にある価値を、必要な人に届ける広報。
どれが良い、悪いということではありません。目的が違えば、必要な広報の形も変わるだけです。
世の中には、優秀な広報のプロがたくさんいらっしゃいます。
SNSの見せ方をよく知っている人。
広告やマーケティングに詳しい人。
パンフレットやホームページをセンス良く作る人。
たくさんの出口を知り、目的に合わせて発信を設計できる人たちです。
そうした専門家の力は、とても大切だと思っています。
広報を頑張ろうと思ったとき、デザイナーや広報の専門家、SNS運用のプロにお願いすることは、ごく自然なことですよね。
ただ、私はその前に、もうひとつ「大切にしたい時間」があるのではないかと感じています。
それは、自分たちの活動の価値を、まず自分たち自身で「言葉」にする時間です。
アンドナは、「広報のプロ」ではありません
最初にお伝えしておきたいのですが、アンドナは「広報のプロ」ではありません。
SNSを戦略的に運用してバズらせたり、広告を使って集客を増やしたり、マーケティング全体を設計したりすることは、その道の専門家にお願いする領域だと思っています。
もし「とにかく不特定多数の人に広く届けて、売上や集客を一気に伸ばしたい!」という目的であれば、アンドナよりも適した専門家がたくさんいらっしゃいます。
では、アンドナは何ができるのか。
それは、広報の一歩手前にある「価値を言葉にすること」です。
自分たち自身がまだ「自分たちの価値」を言葉にできていない段階では、どんなにすごい発信のプロにお願いしても、「何を伝えたいのか」の軸がブレてしまうことがあるのではないでしょうか。
私たちは、何を大切にしているのか。
その活動には、どんな意味があるのか。
誰に、何を届けたいのか。
なぜ、その取り組みを続けているのか。
そこが曖昧なままでは、どれだけ見た目のよい発信をしても、活動の本当の価値は伝わりにくいのかもしれません。
アンドナが現場の皆さんと一緒に考えたいのは、まさにそこなんです。
何を発信するかの前に、何を大切にしているのか。
どんなツールを作るかの前に、その活動にはどんな意味があるのか。
外に届ける前に、まず自分たちの中にある価値を見つけること。
私たちは、そこから一緒に始めたいと思っています。
専任の担当者がいないからこそ、埋もれてしまう価値がある
企業であれば、広報やマーケティングの担当者がいて、商品やサービスの魅力を伝える仕組みがありますよね。
でも、福祉施設や教育現場、地域の取り組み、行政の事業などでは、専任の広報担当者がいないことも少なくありません。
現場では、日々たくさんの工夫や挑戦が行われています。
けれど、目の前の方と向き合うことに一生懸命で、それを外に向けて整理し、言葉にし、届けるところまで手が回らないのが現実だと思います。
その結果、いい活動ほど現場の内側に閉じてしまい、必要としている人や応援してくれる人、一緒に動ける人に届かないままになってしまうことがあります。これって、社会にとって本当に「もったいない」ことだと思いませんか?
ただ、伝わっていないからといって、すぐに「SNSを頑張ろう!」「とりあえずパンフレットを作ろう!」と出口から考えてしまうと、本当に伝えたいことがぼやけてしまうことがあります。
大切なのは、まず自分たちの活動の中にある価値を、ゆっくり見つめ直すことです。
私たちは何を大切にしているのか。
この活動には、どんな意味があるのか。
誰に届くと、どんな可能性が広がるのか。
そこが少しずつ見えてくると、伝える言葉にも、届ける形にも、ブレない「軸」が生まれていくのだと思います。
広報なのに「外」を向かない? アンドナが大切にする「内向きの広報」
「広報」と聞くと、どうしても「外の世界に向けてアピールすること」を想像しますよね。
でも、アンドナが皆さんと一緒に取り組む広報は、実は「外向き」ではなく、まずは「内向き」のものなんです。
外に向けて発信する前に、そもそも「自分たちの本当の価値」を、自分たち自身がちゃんと知っているでしょうか。
「私たちは何を大切にして、どこに向かっているのか」という想いを、組織の中のスタッフ同士でしっかり共有できているでしょうか。
ここが曖昧なまま外へ言葉を放っても、どこか上滑りしてしまいます。
アンドナは、パンフレット作成やライティングだけを請け負っているわけではありません。
もちろん、結果としてパンフレットや文章などを作ることはあります。
でも、それらは単なる制作物ではなく、皆さんと一緒に「内側にある価値」を言語化し、組織の中で共有していく「過程」で生まれる形のひとつに過ぎません。
大切なのは、きれいな言葉で飾ることではありません。
実際より大きく見せたり、無理に感動的なストーリーに仕立て上げたりする必要もありません。
自分たちの活動の中にある本当の価値に気づき、それをまずは「自分たち自身」が納得できる言葉にしていくこと。
価値がしっかりと「言葉」になることで、現場がブレなくなります。
日々の業務の中で迷ったとき、チームのみんなで戻って確認できる「場所」になるからです。
自分たちのやっていることの価値を再確認できるその言葉は、スタッフ一人ひとりの自信や誇りにつながっていきます。
そして、自分たちの仕事に誇りを持っているからこそ、その熱量が自然と外に向けても、より明確に、あたたかく伝わっていくのだと思います。
外に向けて広報する前に、まずは自分たちの価値を組織内で共有する。
アンドナは、そのための「内向きの広報」を何よりも大切にしています。
たとえば、アンドナでは「喫茶アンドナ新聞」という外部向けの広報紙を作成しています。
これは、新しいお客様をたくさん集めるためのものではなく、アンドナの活動を応援してくださっている方や、これまで関わってくださった方へ、活動の歩みや気づきをお届けするためのものです。
こうした広報も、アンドナにとっては大切な「価値を届ける形」のひとつです。

価値は、見つけるだけでなく一緒に「育てていく」もの
アンドナが大切にしているのは、価値を見つけて言葉にすることですが、それだけで終わりではありません。
見つけた価値を、現場の人たちと一緒に「育てていくこと」。
その価値が、施設や活動の中で共有され、日々の実践や次の取り組みにつながっていくこと。そこまでをご一緒したいと思っています。
福祉施設の中には、すでに素晴らしい実践があります。教育や地域の取り組みの中にも、大切な意味があります。行政の事業の中にも、社会に届けるべき価値があります。
でも、その価値は最初からはっきり見えているとは限りません。
皆さんとお話を聞き、振り返り、一緒に言葉を探していく中で、
「ああ、私たちってこういうことを大切にしていたんだね」
「これからは、この部分をもっと大切に育てていこう」
と、少しずつ輪郭が見えてくることがあります。そして、その気づきが、次の行動や新しい挑戦につながっていくのです。
外に向けて伝える前に、まず自分たちの中にある価値に気づく。
そして、その価値を言葉にしながら、現場の中でじっくり育てていく。
その積み重ねがあるからこそ、外に向けて発信する言葉にも、人の心を動かす「あたたかな力」が宿るのだと思います。

アンドナが一番大切にしているのは、その「過程」です
アンドナがお手伝いしていることの本当の価値は、完成したパンフレットや記事、提案書そのものだけにあるのではないと思っています。
もちろん、伝えるための文章や資料があることで、活動はグッと外に届けやすくなります。
でも、アンドナが一番大切にしているのは、そこに至るまでの「過程」です。
現場の皆さんの話を聞き、日々の実践の中にある価値を一緒に見つけること。
うまく言葉になっていなかった想いや違和感を、少しずつ整理すること。
そんな問いを皆さんと一緒に重ねながら、言葉にしていくこと。
外に向けて伝えるための言葉を探しているはずが、実は自分たち自身の価値に気づく時間になっている。
活動を説明するために整理していたはずが、次に取り組みたいことが見えてくる。
アンドナの仕事は、単に文章をきれいに整えることではありません。
価値を見つけ、言葉にし、その価値が現場の中で育っていく時間に「伴走」すること。
そこにこそ、アンドナらしい役割があるのだと思っています。
どんなときに、アンドナを呼べばいい?
アンドナがお役に立てるのは、「確かな価値はあるのに、まだうまく言葉になっていない取り組み」です。
福祉施設の実践。
教育や地域との連携。
行政が進める福祉や共生に関わる事業。
社会にとって大切だけれど、説明が難しく、伝え方に悩みやすい活動。
「じゃあ、具体的にどんなタイミングで声をかければいいの?」と思われるかもしれません。
たとえば、施設や組織が「新しいステージに挑戦しようとしているとき」や、「組織が大きく変化しようとしているとき」に、ぜひお声がけいただきたいなと思っています。
新しいパンフレットを作る前、新規事業を立ち上げる前、採用を強化する前。次のステップへ進むための「ブレない言葉の土台」をつくりたいとき。
そんなタイミングこそ、私たちの出番だと思っています。
テクニック的な広報は、専門家へ。
価値を見つけ、言葉にし、育てていく時間は、アンドナへ。
もちろん、アンドナが何かの専門家として、皆さんに「これが正解です」と教えられるわけではありません。
特定の分野の専門家ではないからこそ、現場の皆さんの話をフラットにお聞きしながら、一緒に悩み、一緒に考えていきたいと思っています。
価値ある活動を、内側だけで終わらせないために
「発信が苦手」
「何を書けばいいかわからない」
「うちの活動に、そんなに特別なことはない」
そう感じている現場の中にも、外の人がまだ知らない価値が眠っていることがあります。
でも、その価値は、見つけてもらうのを待っているだけではなかなか届きません。
まずは、自分たちの活動の中にある価値を見つけること。
その価値を、現場の人たちと一緒に言葉にすること。
そして、その価値が日々の実践や次の取り組みにつながるように育てていくこと。
アンドナは、その時間を一緒に悩み、考える「伴走者」でありたいと思っています。
皆さんの大切な活動を、内側だけで終わらせない。
必要としている人、応援してくれる人、一緒に動いてくれる人へ届けていく。
そのために、広報の前に必要な「価値を見つけ、言葉にし、育てていく時間」を、これからも現場の皆さんと一緒に大切にしていきたいと思っています。
福祉施設の魅力を社会へひらく。「タネまき福祉研究所」のサポート事例
アンドナが福祉施設のみなさんと行っている、広報・採用支援・パンフレット作成・出張ボッチャの事例報告・アート活動・施設運営サポート。タネまき福祉研究所として、現場...


