Follow us

【仕事】奈良市Ricoraの挑戦 —— 放課後等デイサービスで看護実習生を迎えて

2025.09.11

病院だけじゃない、看護師の新しい居場所。

こんにちは アンドナの野村です。
今回は、非営利型株式会社アンドナが運営のサポートをしている施設「Ricora(リコラ)」の取り組みをご紹介します。

看護学生が実習に行く先といえば、病院や高齢者施設が多いのが一般的です。
でも実は、医療的ケアが必要な重症心身障がい児が通う「放課後等デイサービス」という場所があるのをご存じでしょうか?

奈良市にある「Ricora(リコラ)」は、その中でも医療的ケアを必要とする重度の子どもたちを専門に受け入れている放課後等デイサービスです。
そして今、全国でもめずらしい“看護実習生の受け入れ”を始めました。
そこには、病院では学べない「子どもたちと一緒に過ごす看護のかたち」があります。

放課後等デイサービスとは?

放課後等デイサービスは、障がいのある子どもたちが放課後や長期休暇に通うことができる福祉の場です。
軽度から重度まで幅広い子どもたちが利用し、安心して過ごしながら遊びや学びを通して成長することを目的としています。

Ricoraの特徴 —— 重度の子どもたちに特化

Ricoraに通う子どもたちの多くは、経管栄養や吸引などの医療的ケアを日常的に必要としています。
そのため看護師が常駐していなければ運営できません。

けれど、Ricoraは決して「医療ケアだけの場所」ではありません。
大切にしているのは、子どもたちが「子どもらしく思いきり遊び、笑顔で過ごせる時間」です。
水遊び、工作、歌やリズム遊び。子どもたちが夢中になって遊ぶそばには、いつも看護師がいて安全を見守っています。
看護師がいるからこそ、医療的ケアが必要な子も安心して遊べる——それがRicoraの大きな役割です。

Ricoraの挑戦 —— 看護実習生の受け入れ

Ricoraが掲げる理念は、「一緒に作ろう子どもたちの未来を」

その理念を形にするために、スタッフ自らが大学へ働きかけ、看護学生の実習受け入れを実現しました。
「もっと多くの学生に、医療的ケアが必要な子どもたちと出会い、学んでほしい」
その思いから始まった挑戦です。

病院や高齢者施設での実習は一般的ですが、重症心身障がい児を支える放課後等デイサービスでの実習は全国的にも新しい取り組みです。
未来の看護師にとって、ここでの経験は特別な学びとなります。

実習での学び —— 看護師が「遊び」を考える

Ricoraでの実習は、医療ケアの技術を学ぶだけではありません。
最終日に向けて、学生さん自身が「みんなで楽しめる遊び」を企画します。

オリジナルのボーリングを考えたり、手作りのおもちゃを工夫したり。
「どうすれば子どもたちが安心して、楽しく遊べるだろう?」と、看護学生が真剣に考えるのです。

看護師が本気で“遊び”を考える。
そんな学びができるのも、この実習ならではの魅力です。

実習を終えた学生の声

実際にRicoraで実習を経験した学生さんは、こう語っています。

「病気や障害だけを見るのではなく、その子の“好きなこと”“ペース”に寄り添う大切さを実感しました」
「医療ケアが生活の一部として自然に行われていることに驚きました」
「病院以外でも看護師が必要とされていることを強く感じました」

学生さんにとっても、Ricoraは“医療ケアのための場所”ではなく、“子どもたちが笑顔で過ごせる生活の場”として映っているのです。
感想を聞かせていただき、Ricoraの大切にしていることをしっかりと受け取っていただけていると感じたのです。

未来へ —— 看護師の新しい可能性

Ricoraの実習受け入れは、看護学生に「看護師の新しい働き方」を伝える取り組みでもあります。
病院だけではなく、地域で子どもたちや家族を支える看護。
その可能性に気づくことは、未来の看護師にとって大きな財産になります。

「一緒に子どもたちの未来をつくる」
この理念のもと、Ricoraはこれからも子どもたち、保護者、学生、そして地域と手を取り合いながら、新しい一歩を踏み出していきます。

一覧ページはこちらから