
福祉への新たな挑戦、そしてボッチャへの情熱 今水監督
「福祉の仕事は未経験だったんです」。そう語るのは、ボッチャチーム「ノーサイド・ジェッツ」を率いる今水監督。異色の経歴を持ちながら、持ち前の明るさと情熱でチームをまとめ上げ、ボッチャの魅力を発信し続けています。監督になった経緯からチームへの想い、そして出張ボッチャへの意気込みを伺いました。
未経験から福祉の世界へ
40代からの再出発!人の役に立ちたい一心で飛び込んだ福祉の世界
ノーサイドに入社して、2年になります。それまでは、実は福祉とは全く関係のない仕事をしていました。40代を迎え、「これからは直接的に人の役に立つ仕事がしたい」と強く思うようになり、福祉業界へのチャレンジを決意したのです。未経験だったため不安もありましたが、とにかく探し始めようと。そのとき、最初に目に飛び込んできた求人が「ノーサイドはびきの(子どもの施設)」でした。面接で施設を訪問したときの、いわゆる“福祉っぽくない”明るくオープンな雰囲気に強く惹かれ、「ここで働きたい!」と感じたのが始まりです。
ボッチャとの出会い
入社2年目に任されたボッチャチームの監督業
その後、大人の施設でボッチャチーム「ノーサイド・ジェッツ」を立ち上げるという話が持ち上がり、女子アイスホッケーの監督をしている私に白羽の矢が立ちました。正直なところ、大人の施設への異動が決まった当初は、利用者さんは重度の障がいがある方々ということもあり、「私に務まるのだろうか…」と大きな不安を感じていました。でも、悩んでいても始まらない。「まずは慣れるしかない!」と腹を括って飛び込んでみると、日々接していくうちにどんどん不安は消え、利用者さんたちと過ごす時間がとても楽しくなってきたのです。
チームで大切にしていること
“楽しい”が最強の原動力!勝つ喜び、負ける悔しさ、全てを力に変えて
チームで何よりも大切にしているのは、「ボッチャを心から楽しむこと」です。もちろん、試合に勝ったら嬉しいし、負ければ悔しい。その「楽しい!」という感情をみんなで味わうために、勝利を目指して日々練習に励んでいます。ただ、そのためには上手い選手だけが活躍するのではなく、チーム全員がそれぞれの役割を果たし、一体となって楽しんで取り組めるような環境づくりを常に心がけています。
利用者さんたちは、日常生活の中で「悔しい」という感情をストレートに表に出す機会は、そう多くないかもしれません。しかし、スポーツの世界では、その感情をダイレクトに感じることができます。試合に負けた時の悔しさを、「じゃあ、次に勝つためにはどうすればいいんだろう?」という前向きな思考に繋げていきたい。純粋に「楽しむために頑張る」、それが私たちノーサイド・ジェッツのモットーです。
チームの雰囲気
実力だけじゃない!思いやりとリスペクトが育む、最高のチームワーク
チームの雰囲気は、一言で言うと「みんな仲良く、すごくいい感じ」ですね。特にAチームの3人は、技術的に高いレベルにありますが、他のチームメイトに対して決して偉ぶったりしません。むしろ、自分たちが持っている技術や知識を活かして、まだ経験の浅い選手の面倒を積極的に見てくれますし、練習時間になれば誰よりも率先して準備に取り掛かっています。
私自身、これまで様々なスポーツの現場を見てきましたが、どうしても上手い選手が中心となって、時にそれが威圧的になってしまうケースも少なくありませんでした。しかし、本当の意味での良いリーダーシップというのは、単に技術が優れているだけでは発揮できないものです。Aチームの選手たちは、常に「どうすればチーム全員が楽しめるか」を考え、行動してくれている。その姿勢が、チーム全体の良い雰囲気を作り出しているのだと思います。
A~Fにチーム分けしている理由
プロ意識を胸に戦う!情熱と貢献度が示す、真のAチームの証
ノーサイド・ジェッツは、ありがたいことにスポンサーも付いてくださっているプロチームです。そのため、メンバーには「仕事としてボッチャに取り組む」という意識をしっかりと持ってもらう必要があります。その一環として、AチームからFチームまで、明確なランク分けを行っています。
このランク分けの基準は、単にボッチャの技術的な上手さだけではありません。それ以上に、「チームのこと、そしてボッチャという競技全体のことをどれだけ深く考え、情熱を持って取り組んでいるか」という点を重視しています。例えばAチームの3人は、本当に四六時中ボッチャのことばかり考えていると言っても過言ではないくらい、常に練習をしています。施設での公式な練習日は週3日(火・木・土曜日)ですが、それ以外の日でも、あの重たいボッチャのセットを持ってきて、時間を見つけては自主練習に励んでいるのです。それどころか、休日でさえも練習しているほどです。その情熱と努力が、彼らをAチームたらしめているのだと思います。
チームとしての目標
夢は大阪制覇、そして全国の頂へ!
チームとしての目標は、まずAチームの3人が大阪で優勝すること。彼らはまだ若く、これからさらに大きく成長していく可能性を秘めています。そして、その先には全日本での優勝という大きな目標を掲げています。そのためにも、これからさらにルールへの理解を深め、試合運びの駆け引きを学び、勝つことの喜び、そして時には負けることの悔しさを存分に味わいながら成長していってほしいと願っています。
スポンサーが付いてくださったことで、この春には念願の公式ユニフォームも完成し、メンバー全員、本当に張り切っています。今はまだ、様々な大会に「参加させてもらっている」という立場ですが、将来的には自分たちが主催する「ノーサイド杯」のような大会を実施することも、大きな目標の一つです。
出張ボッチャへの意気込み
ボール一つで、世界は広がる!誰もが楽しめるボッチャの魅力を広めたい
ボッチャは、一見シンプルに見えますが、実は非常に奥が深い戦略的なスポーツです。しかし、その一方で、間口は驚くほど広い。ボールを投げることができれば、年齢や性別、障がいの有無なんて一切関係なく、誰もが一緒に楽しめるのが最大の魅力です。特別な体力や準備もほとんど必要ありません。「ちょっとやってみようかな」という気軽な気持ちで、まずは一度、このボッチャというスポーツを体験してみてほしいと心から思います。
参加するみなさんへのメッセージ
挑戦者、大歓迎!選手と一緒に、本気のボッチャで熱くなりましょう!
出張ボッチャは、参加してくださる皆さんにとって楽しい時間であることはもちろんですが、私たちにとっても、皆さんと一緒にボッチャをすることで得られるものがたくさんあるのです。普段とは違う環境で、様々な方と触れ合うことは、選手たちにとって大きな刺激となり、成長の糧となります。「仕事としてボッチャを頑張る」選手たちと一緒に、ぜひ本気のボッチャを楽しんでみませんか?遠慮はいりません、ぜひ選手たちを倒しに来てください!お待ちしています!
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今水監督プロフィール
趣味:スポーツ、アイスホッケーは9歳から始めて37年目
出身:大阪府柏原市
ハマっていること:サウナ(週2回)
好きな食べ物:焼肉
アイスホッケーについて
小学生のとき、アイスホッケーをしていた同級生に誘われたことがきっかけで、現在まで続けていて、国体に出場経験もあります。また、女子アイスホッケーチームの監督も11年間しており、今では大阪で一番強いチームになりました!

アンドナより
今水監督は、ボッチャの監督としてノーサイドへ入社したわけではありません。障がいのある方の支援をする仕事「支援員」です。未経験から不安を抱きながらの福祉の仕事へのチャレンジ。しかし、今では、介助に監督業に忙しく、毎日が楽しく充実していると語ります。年齢に臆することなく、新しいことに前向きに取り組む姿勢に未来は拓いていくのではないでしょうか。
福祉の仕事は、介助するだけだと思っていませんか?たくさんの可能性を秘めているのが、障がい福祉の仕事なのです。
アンドナの「出張ボッチャ」では、プロの選手たちと一緒に、実際にボッチャを体験していただくことができます。ボッチャの楽しさ、奥深さ、そして人と人とをつなぐ力を、ぜひ肌で感じてみませんか?
〈お問い合わせ〉
https://forms.gle/QgSBASX39gudbaTm9
担当:のむら
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