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車椅子で東京日帰りは、やっぱり大冒険だった。ノーサイド・ジェッツと行く「いーたいけんアワード」表彰式・東京日帰り冒険記!

出発の新大阪駅!(赤いジャケットが根田選手、後ろが髙木選手)

こんにちは、アンドナの野村です。

少しご報告が遅くなってしまいましたが、2026年1月のこと。
文部科学省の「いーたいけんアワード」表彰式に参加するため、八尾市の福祉施設「ノーサイドCLUB」が運営するボッチャチーム『ノーサイド・ジェッツ』の選手たちと一緒に、東京へ行ってきました!
(今頃の更新ですみません💦)

今回のメンバーは、アンドナ野村、ノーサイドの江副さん・今水監督、そして選手の髙木さん、根田さん、植村さん。

私は早朝から会場入りし、ノーサイドチームとはお昼に東京で合流。
帰りはみんなで一緒に大阪へ戻る、日帰りの東京遠征です。

……と書くと、なんだかサラッと聞こえますよね。でも、よく考えてみてください。

車椅子の選手と一緒に、大阪から東京へ行く。

しかも、日帰り
しかも、表彰式
しかも、東京の駅で乗り換える

これはもう、ただの「移動」ではありません。ちょっとした「大冒険」でした!
というのも、介助する私たちも滅多に東京に行くことはなく、大都会に慣れていないからです(笑)

今回の記事は、受賞のまじめなご報告……というより、その裏側にあった「東京日帰り・ドタバタ冒険記」のお話です。
車椅子で新幹線を利用する方や、遠方へのお出かけを考えている福祉施設の方、「実際どんな準備がいるの?」と思っている方の参考になればうれしいです!

ここから乗車します

まず、チケット予約の時点ですでに冒険だった

今回の移動で、最初に立ちはだかった壁。それは「新幹線のチケット予約」でした。
新幹線には、車椅子で利用できる座席がいくつかあります。

・車椅子を固定して、そのまま乗る席
・車椅子を横につけて、本人は座席に座る席
・多目的室(介助者と一緒に入れたり、席をフラットにできたりする個室)

今回は、行きも帰りも「車椅子+座席」と「多目的室」を予約しました。

最初はネット予約を試みたのですが、今回のように「介助者と車椅子利用者がセットで複数動く」場合、ネットだけではうまく予約できず、駅に電話で相談することに。
そこから、予約センター、チケットを発券する地元駅、駅の担当の方との長〜いやり取りが始まりました。
必要だった情報は、車椅子のサイズ、折りたためるかどうか、障害者手帳の情報、乗車前後の移動手段などなど。

「車椅子利用者」と一言で言っても、状況は本当にさまざまです。
自分で動かせる人もいれば、全面的な介助が必要な人もいる。
座席に移れる人もいれば、車椅子のままの方が安心な人もいる。
その一つひとつを伝えながら、空いている席を確認し、担当の方と一緒に最適な形をパズルのように考えていきました。

時はクリスマスイブの夜。
世間がチキンやケーキを楽しんでいる中、最寄り駅の方と電話をつなぎ、新幹線の座席表と真剣に向き合う私。
……思い出に残る聖夜となりました(笑)

でも、駅の担当の方は本当に丁寧に対応してくださいました。
こちらの状況を確認しながら「どうすれば安全に移動できるか」を一緒に考えてくださり、本当に頭が下がる思いです。

「折りたためる車椅子」でも、簡単にたためるわけじゃない!

予約時に「車椅子は折りたためますか?」と聞かれました。
たしかに、車椅子そのものは折りたためるタイプです。
でも、今回改めて感じたのは、福祉現場で使っている車椅子は、ただの「移動手段」ではないということです。

車椅子には、食事介助やトイレ介助に必要なグッズ、姿勢を保つためのクッションなど、選手が安心して過ごすための「生活必需品」がたくさんセッティングされています。
たとえ本体が折りたためたとしても、それらをすべて外して、またセットし直して……というのは、現実的にはかなり厳しいミッションです。

「足が悪くて移動のためだけに使っている方」と、「日常生活全体に介助が必要で、車椅子にさまざまなものを積んでいる方」では、準備も荷物の量もまったく違います。
これは、実際に同行してみないと見えにくい部分だなと感じました。
それと同時に、そこもこちらからお伝えしなければ相手の方にはわからないことです。

多目的室。個室が必要な方と介助者(付き添い)の2名で利用することができます。
座席をフラットにして寝転ぶことも可能
扉を閉めたところ
多目的室のすぐそばには、車椅子ごと入れるトイレもあります

行きは朝ラッシュを回避!事前の「役割分担」がカギ

行きは朝のラッシュ時間帯と重なるため、八尾から新大阪駅までは車で向かいました。

朝の満員電車に車椅子で乗ることも不可能ではありませんが、混雑、乗り換え、エレベーター待ち……と、東京に着く前に体力を使い果たしてしまいます。
まずは新大阪駅まで安全にたどり着くことを最優先にしました。

新大阪駅とは事前に連携し、改札口に集合。
駅員さんが案内してくださり、スロープの準備もバッチリで、無事に新幹線へ乗り込むことができました!

同行したスタッフの江副さんも、 「事前に新幹線の車椅子利用について調べておいたことや、誰が誰を見るのか『役割』を決めておいたことが、当日すごく役立ちましたね!」と話してくれました。

当たり前のようですが、これをしておくことで、混雑する場面でも慌てずに動くことができました。

駅弁買って、乗車準備はバッチリ!(左から、髙木選手、植村選手、根田選手、今水監督)

新幹線の中はホッとする時間。「ありがとう、連れてきてくれて」

新幹線に乗ってしまえば、少しホッと一息。
いつもと違う景色に、ちょっとした旅行気分です。

江副さんも「初めての場所に向かう感じが、まるで冒険に出かけているみたいでした」と言っていましたが、まさにその通り。

移動そのものは大変でも、選手たちは終始ワクワクしている様子でした。

そして、今回とても印象に残っている出来事があります。
東京に着く前、移動中に選手の一人が、「ありがとう、連れてきてくれて」と声をかけてくれたそうです。

ノーサイド・ジェッツの選手たちは、19歳から24歳の立派な大人です。
好きなこともあるし、行きたい場所もある。挑戦したい気持ちも、楽しみにする気持ちも、私たちと同じように持っています。
でも、障がいのない人のように「ちょっと東京へ行こう!」と思った時に、すぐに行けるわけではありません。
たくさんの準備と、たくさんの人の協力があって、ようやく実現する一日です。

だからこそ、今回の東京行きは、彼らにとって本当に貴重な冒険だったのだと思います。

「こちらこそ、一緒に連れてきてもらっている気持ちだったので、その言葉を聞いて胸がいっぱいになりました」(江副さん)

普段の支援の場とは違う場所へ行き、初めての景色を一緒に見て、ちょっと緊張しながら挑戦する。
それは、支援するスタッフにとってもかけがえのない経験です。

「ありがとう」の言葉に、私たちの方こそ心が温かくなりました。

駅弁を車内で食べることも旅の楽しみの一つ!

品川に到着!……でも、ここからが本番だった

新幹線は無事に品川駅に到着。
「着いたー!」と叫びたいところですが、目的地はまだ先です。

会場は、国立オリンピック記念青少年総合センター。品川から山手線で新宿へ行き、小田急線に乗り換えて参宮橋へ。そこから徒歩で会場へ向かいます。

通常なら30分ほどで行けるルート。
でも、車椅子移動ではそうはいきません。

エレベーターを探す。
待つ。
スロープをお願いする。
駅員さんの案内を待つ。
人の流れを見ながら進む。
全員がそろって移動する。
ひとつひとつに、どうしても時間がかかります。

今水監督が「歩きの選手の疲れが心配でした。もっと最短ルートを調べて案内できたらよかったですね」と振り返っていたように、グループで移動する時は、車椅子ユーザーだけでなく、歩いて移動するメンバーの体力にも配慮が必要です。

これは次回に向けての大きな学びでした。

スムーズな移動のため、乗り換えも駅員さんが先導してくださいます
安全に配慮しながらの乗車。駅のみなさま本当にありがとうございました!

表彰式会場に到着。やっぱり来てよかった!

そして、なんとか会場に到着!

表彰式の会場では、事前に車椅子ユーザーが参加することをお伝えしていたため、動線に配慮した席をご用意いただいていました。

多くの企業の方がいる場に入り、自分たちの取り組みが紹介され、そこに選手たちも一緒にいる。
それは、ただ「東京へ行った」というだけではなく、社会としっかりつながる経験そのものでした。

今水監督も「改めてすごい賞に選ばれたんだなと感じました」、江副さんも「選手のみなさんが喜んでいる様子を見られたことが、参加してよかったと思えた理由のひとつです」と笑顔で語ってくれました。

私自身も、みんなとこの場にいられたことが本当に嬉しかったです!

会場でのノーサイド・ジェッツの選手たち(右はスタッフの江副さん)
いーたいけんアワードの特別賞を受賞しました!

そして帰り。本当の山場はここからだった

表彰式を終え、「さあ、品川に戻って、新幹線に乗って、大阪へ帰ろう!」と気持ちは前向きでした。

……が、ここからが本当の山場でした(笑)

時間帯は16時から17時ごろ。

学生さんの帰宅ラッシュと重なり、駅は大混雑!
エレベーターには人が溢れ、新宿駅で乗り換える際は、駅員さんのスロープ対応のためホームで30分ほど待つことになりました。

目の前に乗りたい電車は来ている。
でも、スロープを出すには駅員さんの対応が必要で、駅員さんも他のお客様の対応や安全確認がある。
「目の前に電車はあるのに、乗れない」

この「待つしかない時間」が、車椅子での移動ではとても大きいのだと実感しました。
結局、通常30分で着くはずの品川駅まで、1時間半ほどかかりました。

ただの買い物じゃない。「自分で家族にお土産を買う」という大切な体験

帰りの移動で想定以上に時間がかかり、品川駅でのお楽しみ「お土産タイム」は、ほぼ消滅状態に。
東京へ行ったのに、「東京ばな奈」をゆっくり選ぶ余裕はゼロ!

残念……いや、正確には、残念というより「新幹線に間に合うことが最優先!!!」という焦りの気持ちでいっぱいでした(笑)

とはいえ、今回はどうしてもお土産を買って帰りたかった理由があります。

選手たちは普段、遠くへ出かけるときは必ずご家族と一緒です。
そのため、家族と離れて遠出し、留守番している家族のために「自分でお土産を買う」という経験がほとんどありません。
だからこそ、お土産を買うことは、ただの買い物を超えた大切な体験です。

新幹線の時間が迫る中、なんとか少しの時間を見つけて、駅の売店でぱぱぱっとお土産を買うことができました。
ゆっくり選ぶことはできなかったけれど、家族への想いが詰まったお土産を手にできて、本当によかったです。

車椅子移動の日帰り遠征では、優先順位が驚くほどはっきりします。
今水監督も「帰りは誘導待ちが長くて、ゆっくりとお土産を選ぶ時間がなくなりましたね」とポツリ。
次回からは、「お土産を買う時間」ではなく、「お土産を買えたらラッキー」としてスケジュールを見積もろうと心に誓いました。

車椅子移動は、想定時間の「2倍」、できれば「3倍」で!

今回の経験で、強く感じたことがあります。

それは、「車椅子での移動は、想定時間の2倍、できれば3倍で考えるべし」ということです。

電車が遅れるわけでも、誰かが不親切なわけでもありません。
ただ、車の乗り降り、エレベーター待ち、スロープ対応、トイレ休憩、人混みの中での移動……そのひとつひとつに時間が必要です。

江副さんが「次回は、電車が2本遅れても大丈夫なくらいのスケジュールで動きたいですね」と言っていた通り、時間の余白は、安心の余白です。
余裕があるからこそ、安全に動けて、選手の表情を見る余裕も生まれます。

次回の冒険に向けて、やっておきたいことメモ

今回の学びから、次回のお出かけに活かしたいポイントをまとめました。

  • ルートは超・細かく調べる:最短ルートだけでなく、エレベーターの場所、乗り換え動線、トイレの場所まで!
  • 持ち物の最終確認:移動に気を取られて、食事用ハサミや薬などを忘れないように。
  • 連絡は乗車前に:新幹線内は電波が不安定になりがちです。
  • 役割分担の徹底:チケット係、駅員さんとのやり取り係、体調管理係など。
  • 選手へ見通しを伝える:「ここで少し待ちます」「このあとトイレに行けます」と先に伝えるだけで、選手の安心感が違います。

大変だった。でも、最高に行ってよかった!

今回の一日を、江副さんは「冒険と成長の一日!!!」と表現してくれました。
まさにその通りです。

大変だったし、時間もかかったし、お土産をゆっくり選ぶこともできませんでした。
でも、それ以上に、行ってよかった。

移動中からワクワクしている選手の表情を見られたこと。
表彰式という特別な場に参加できたこと。
「ありがとう」と言ってもらえたこと。

支援する側、される側という関係を超えて、一緒に経験するからこそ生まれるものが確かにありました。

最後に。駅員さん、鉄道会社のみなさまへ

今回、チケットの手配から当日のご案内まで、本当に多くの方にサポートしていただきました。

新大阪駅、品川駅、新宿駅、各路線の駅員のみなさま。
予約に関わってくださったみなさま。

混雑する駅の中で「通ります!」と声をかけてくださったり、安全に移動できるようスロープを準備してくださったり。
江副さんも「駅員さんの声かけが本当に助かりました」と話していました。

車椅子での移動は、まだまだ時間も手間もかかります。
でも、こうして支えてくださる方がいることで、彼らが行ける場所が増え、社会とつながる機会が増えます。
本当にありがとうございました!

東京日帰り冒険は、大変だったけれど、笑いあり、学びあり、感謝ありの最高の一日でした。
そして、私たち全員にとって「また行きたい!」と思える、大切な思い出になりました。

そして、東京まで来てくれたノーサイド・ジェッツの選手の皆さん、ノーサイド江副さんと今水監督
どうもありがとうございました!
私にとって、とても貴重な経験になりました!

帰りの駅弁は、お肉と唐揚げ!ちょっと豪華
東京行きのために新しい靴を買った、髙木くん(左)と野村(右)足元は大事です(笑)

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