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私のリカレント教育1 ~高卒でも大学院へ入学できるの?~

2024.02.25

こんにちは 
ぷろちゃれ管理人の野村です

社会人の学びなおしとして「リスキリング」や「リカレント」という言葉をよく聞くようになりました。
今回は、私の大学院での学びについてお話します。
働きながら学ぶことに不安があり、なかなか踏み出せない方の参考になればと思います。

「リカレント」と「リスキリング」の違い

まずは、「リスキリング」と「リカレント」の違いについて。
「リスキリング」企業が新しいスキルを従業員に身につけてもらう
「リカレント」大学に入り直すなど自らの意思で別のスキルを身につける
と、少し違うようです。

私の場合は、「リカレント」にあたります。
前職では、福祉関係の資格などの直接的な学びに対するサポートはありましたが、私の学びたいことに対するサポートの制度はなかったため、自分で学びを進めました。

大学院へ入学した理由

2020年4月に入学したのは、事業構想大学院大学という、社会人が学ぶための大学院です。
https://www.mpd.ac.jp/

ここで学べることは、事業を起こすための知識や方法、考え方などです。具体的には、組織マネジメント、マーケティング、企業会計、ブランディング などなどを学びました。
2年後に各自が立てる事業構想計画書が卒論になります。私の卒論は、この「ぷろちゃれ」という事業です。

私は10年間、障がい福祉サポートを行う会社で勤務していました。それまでは、福祉のことは全く知らず、身内にも障がいのある人はおらず、福祉とは遠いところでの生活を送っていました。
そんな私が、福祉サービスを行う会社に入り、たくさんの課題とそこで真面目に一生懸命頑張るスタッフと、障がい福祉の仕事の素晴らしさを知ることになったのです。

私の役割は、現場での直接的な支援ではなく、会社や施設運営やスタッフのサポートが主な仕事。会社の未来についてあれこれと考え、施設の組織作りを頑張り、スタッフの働きやすさを考え、社外の人に障がいのある人ことを知っていただくことを頑張る日々でした。

その10年間ずっと考えていたことは、福祉サービス以外の売上を立てることでした。新しい売上を立てることで、人材不足やスタッフの働きやすさなど、さまざまな課題解決に繋がるのではないかということです。
ずっと考え続けていたのですが、いいアイデアも思いつかず、新しい事業を考えるための知識も足らず、人脈もなく…そこをどうにかしたいと思い始め、学べるところを探していました。なので、大学院で学びたかったというわけではなく、私の学びたいことを教えていたのがたまたま事業構想大学院大学だったのです。

事業構想大学院大学で授与される学位は「MPD」です。よく耳にする「MBA」との違いは、既にある事業の分析などを学ぶだけではなく、0から事業を構築していくというところにあります。
この大学院を見つけたときは、まさに私の学びたかったこと!と喜びました。

しかし、入学するには大きな問題が何個かありました。

高卒って大学院に行けるの?

まず一つ目の問題。

私の最終学歴は、高卒です。
大学を卒業していない私が、大学院に入学できるのだろうか?

大学院の募集概要には、大卒ではない人に関してこのように書かれていました。
「当研究科における個別の出願資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者」

えっ!「大学を卒業した者と同等以上の学力」、もうこれだけで難しい気がします💦
何を問われるのか?今から勉強するのか?そもそもそんな学力あったっけ?

と、一瞬悩みましたが、こんな時すぐに行動に移すのは、私の数少ない長所です!
即、入学説明会に申し込み、直接いろいろと聞いてみることにしました。

説明会はマンツーマンで行われ、質問疑問不安なことをあれこれとご相談して、一番大事な入学審査については前のめり気味に伺いました。
大卒ではない人は、今までの職歴や実績などをまとめてレポートとして提出すると、それをもとに審査されるとのこと。テストではなくてホッとしました。

その時既に2019年12月だったため、すぐに入学を決め、翌年1月に出願するための書類作成、そして入学の面談までにプレゼンの練習などを何度か行いました。
提出する書類に関しては、大学院事務局の方がとても丁寧にアドバイスしてくださり助かりました。もともと強い想いがあっての入学希望なので、資料作成にも力が入ります。

入学試験はたぶんボロボロ…

入学試験は、面接とプレゼンと筆記試験でした。
私は、資料作成などは得意分野ですので、志望動機や経歴などをまとめることや、プレゼンも練習をしていたのでなんとかなると思っていましたが、問題は筆記試験です…。
筆記試験の内容はあまり覚えていないのですが、設問に回答するものと小論文だったと記憶しています。
どちらもボロボロだったと思います。
問われていることが全く知識のないことで(マーケティングに関する事だったような)、小学生の作文のような出来栄えに。今考えると、想いだけで入学させていただいたのかもしれません。

面接でも「ここで学ぶ経営などは、福祉とはかなりかけ離れていますが大丈夫ですか?」と念押しがありました。先生方も「この人大丈夫かな?」と、かなり心配されていたのではないでしょうか。というのも、事業構想を学ぶこの大学院は、企業の新規事業を立ち上げる担当の人やこれから起業する人など、ビジネス最前線のバリバリな人を対象としているのです。
当然、福祉の会社に勤務している人が入学するというのは、かなり異色なことだったと思います。

この、ビジネス最前線のバリバリの人たちに混じって勉強するということが、とんでもなく大変なことだ!と実感するのは、この先、入学してからのことです。

そんなこんなで、筆記試験はボロボロだったにも関わらず、思いの強さで無事に(?)入学できることとなりました。

入学にコロナが直撃!

もう一つの問題は「コロナ禍のはじまり」です。

入学時の2020年4月は、コロナが急激に猛威を振るい始めたころです。入学試験を受けていた1月はまだコロナの兆しもなく、2月にダイヤモンドプリンセス号での集団感染がおこり、そこからあっという間に外出自粛の要請があり、学校は休校となり…というような時期でした。

障がい福祉施設では、施設の運営は止めることはできず、当然利用者さんを感染させることも許されず、感染を防ぐため施設内でのスタッフの行き来もなくし、防護服を着ての支援を行い、一人でも感染者を出すと施設を閉鎖して消毒を行い…というような、経験したことのない緊張感漂う日々を送っていました。

何が大変だったかというと、今まで経験したことのないコロナに対して、何が正解なのか誰も分からないことを自分たちで決めていく必要があったことです。
特に私たちが支援していた利用者さんは、重度の障がいがあり、みなさん疾患を抱えています。コロナ感染が死へ直結するという恐怖の中、責任を伴い判断を迫られることがとても重く苦しい日々でした。

この経験だけでも、1冊本が書けそうなくらいですが、長くなるので、その話はまたいつか。

という中での、大学院での学びのスタートです。
2020年4月からの半年間は、帰宅時間も遅く、休みもほとんどなく、精神的にも体力的にも本当に大変な時期でした。

学費はどうしたの?

大学院のサイトをご覧いただくと分かりますが、2年間の学費は決してかわいいのもではありません💦
まぁまぁな覚悟を決めての入学となります。
私の場合は、まさにこの大学院で学べることが求めていた学びにぴったりだったので、貯金を使い、迷わず頑張ることに決めました。

学費に関して、
個人での申し込みであれば、厚労省の「高等職業訓練促進給付金」を申請すると100万円ほどの補助を受けることができます。教育ローンも組めたと思います。
会社員の場合は、条件がありますが「人材開発支援助成金」を会社に申請してもらえれば、最大9割(300万円)の助成があります(2024年2月現在)。驚愕の補助率です!!!

と、活用できるものをフル活用してみてはいかがでしょう?

この後、どんな風に勉強をしていたのかは次回に続きます。

~つづく~

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