
こんにちは、アンドナの野村です。
最近、「生涯学習論」を学ぶ中で、「リカレント教育」という言葉について考える機会がありました。
リカレント教育とは、簡単にいうと、
学ぶ → 働く → また学ぶ → また働く
というように、学校を卒業して社会に出たあとも、必要に応じてもう一度学ぶという考え方です。
この言葉を知って、あらためて自分のこれまでを振り返ってみました。
すると私は、ずっと、
働く → 分からないことに出会う → 学ぶ → またやってみる
ということを繰り返してきたのだと思いました。
働いたからこそ、学びたいことが見えてきた
社会に出る前に、「これからの人生で、あなたにはどんな知識が必要ですか?」と聞かれても、私はきっと答えられなかったと思います。
まだ経験していないからです。
仕事をする。
いろいろな人と出会う。
知らなかった世界に触れる。
うまくいかないことがある。
「もっとこうできないだろうか」と思う。
そこで初めて、
「これはどういうことなんだろう」
「もっと知りたい」
「自分には、この知識が足りない」
ということが見えてきます。
つまり、学ぶ理由そのものが、働く中で生まれることがあるのだと思います。
私が大学院で学んだ理由
私自身、大きく学び直した時期があります。
一般企業で働いたあと、40代になって障がい福祉の仕事に関わるようになりました。
そこで福祉の課題を知る一方で、「福祉の中には、社会でもっと生かせるものがあるのではないか」とも感じるようになりました。
一人ひとり違うことを前提に考えること。
できない理由だけを見るのではなく、「どうしたらできるだろう」と考えること。
誰か一人で解決しようとせず、それぞれのできることを持ち寄ること。
そんな福祉の中にある考え方や価値を、福祉の中だけに置いておくのはもったいない。
そう思うようになりました。
でも、
「こんなことをやりたい」と思うことと、
「それを事業として形にする」ことは別の話です。
そこで2020年から2年間、事業構想大学院大学で学びました。
社会の課題をどう事業として考えるのか。
誰にどんな価値を届けるのか。
続けられる仕組みをどうつくるのか。
知らないことを学びながら、自分のやりたいことを少しずつ整理していきました。
そして、その学びを経てアンドナを立ち上げました。
学んでいることが、偉いわけではない
ただ、私は大学院で学んだことや、現在も大学で学んでいること自体に、大きな意味があるとは思っていません。
学校へ行くこと。
本を読むこと。
資格を取ること。
たくさん知識を持つこと。
それだけで何かが変わるわけではありません。
大切なのは、学んだことを、そのあとどこへ持っていくのか。
だと思っています。
仕事に生かしてもいい。
地域の活動に生かしてもいい。
家族との関わり方が少し変わってもいい。
趣味の世界が広がって、人生が少し楽しくなってもいい。
活用する場所は、人それぞれでいいと思います。
学ぶことそのものが目的になるのではなく、学んだことによって、その人の仕事や暮らしや考え方が少し豊かになる。
そこに意味があるのではないでしょうか。
今は「始めるため」ではなく、「深めるため」に学んでいる
大学院で学んでいた頃は、これから事業をつくるために学ぶという目的がありました。
そして現在は、また少し違います。
今は大学でいろいろな分野を学びながら、これまでアンドナで実践してきたことを、もう一度考え直しています。
なぜ、人と人がつながると新しいことが生まれるのか。
なぜ、話を聞くだけではなく、実際に体験すると考え方が変わることがあるのか。
なぜ、異なる立場の人たちが一緒に考える場に意味があるのか。
これまでは、経験や感覚を頼りにやってきたことがたくさんあります。
それは今でも大切です。
でも、感覚だけでは、人にうまく説明できないことがあります。
なぜうまくいったのかが分からなければ、別の場所で生かすことも難しくなります。
だから今は、
新しいことを増やすためではなく、今やっていることを深く理解するために学ぶ。
そんな時間になっています。
学んで、やってみて、また学ぶ
大人になってからの学びは、少し面白いものです。
本を読んでいると、「ああ、これ、仕事で感じていたことだ」と思うことがあります。
逆に、「理論ではこうだけれど、実際の現場ではどうだろう」と考えることもあります。
経験と知識を行ったり来たりする。
そうすると、一つ分かったと思ったところから、また新しい疑問が生まれます。
なかなか終わりません。
でも、それでいいのだと思います。
働く。
疑問が生まれる。
学ぶ。
やってみる。
また疑問が生まれる。
学ぶことと実践することを、何度でも行ったり来たりする。
リカレント教育について学びながら、私はそんな学び方をこれからも続けていきたいと思いました。
そして今回の学びの中で、もう一つ面白いと感じたことがあります。
それは、学びは一つの場所だけで完結しなくてもいいということです。
学校、図書館、博物館、地域。
それぞれがつながると、学びはもっと広がっていく。
次回は、そのことについて考えてみたいと思います。
【第2話|つなぐ】学びは、一つの場所で完結しなくていい。学校・図書館・地域がつながる面白さ
学校で考え、図書館で調べ、地域の人に聞き、実際に体験して、また考える。学びは一つの場所だけで完結しなくてもいい。生涯学習論から感じた、学校・図書館・博物館・地域...


