
こんにちは、アンドナの野村です。
新しい年度が始まり、アンドナでも一つ、ずっと温めてきた大切なプロジェクトを形にすることにしました。
福祉関係者の皆さま向けの新しいプログラムを始めました。
「チームで社会に飛び出そう! 出張ボッチャの実践報告」
これは、生活介護施設から生まれた「重度障がいのある人の仕事づくり」をテーマに、私たちがどのように出張ボッチャを始め、形にしてきたのかを余すことなくお伝えする実践報告会です。
公式のお知らせでも概要はご案内しましたが、今日はその背景にある私の個人的な思いや、なぜ今これを始めようと思ったのかという「裏側」のお話を、少し詳しく綴ってみたいと思います。
「どうやって形にしてきたのですか?」という声が増えてきました
「出張ボッチャ」の活動を続ける中で、ありがたいことに、少しずつこの取り組みを知ってくださる方が増えてきました。
その中で、最近特によくいただくようになった質問があります。
「どうやって始めたのですか?」
「生活介護の現場で、どうやって仕事として成立させていったのですか?」
これまでは、とにかく出張ボッチャの「実施」そのものに全力を注いできました。
目の前の一回一回をどう最高の時間にするか。選手たちがどう役割を果たせるようにするか。現場で何を積み重ねるか。
そこに集中してきたので、「どのようにここまで形にしてきたのか」というプロセスを言葉にする機会は、実は多くありませんでした。
でも、こうして尋ねていただけるようになったことで、改めて気づかされたのです。
これは単なるボッチャの普及活動ではない。生活介護という現場から、重度障がいのある人の仕事づくりをどう切り拓いてきたのか――。
その試行錯誤の過程そのものに、同じ志を持つ皆さんと共有する大きな意味があるのではないか。
そう思い、今回の「実践報告」という形にまとめました。
生活介護での「仕事づくり」に込めた願い
ノーサイドCLUBは、生活介護施設です。
重度の障がいのある人をサポートする生活介護の現場では、食事、トイレ、着替え、移動といった「日常生活を支えること」が何よりの土台になります。
安心して過ごせること、安全に日々を重ねられること。それは何にも代えがたい大切な仕事であり、決して軽んじてよいものではありません。
その一方で、重度の障がいのある人を支える現場には、共通してずっと心のどこかにある問いがありました。
「重度障がいのある人たちは、ただ生活を支えられるだけでいいのだろうか」
生活という土台の上に、やりがいや楽しみ、自分だけの役割を感じられる時間があってもいいのではないか。社会とつながっている実感や、誰かに必要とされていると感じる場があってもいいのではないか。
これは私ひとりの思いではなく、現場のスタッフやご家族、そして誰よりご本人たちが心の奥底で抱いてきた願いなのだと思います。
「生活介護だから仕事は無理」「重度障がいがあるから活躍の場はない」
そんなふうに、最初から可能性を閉じてしまいたくない。
もちろん、誰にでも同じ形で仕事ができるわけではありません。でも、その人に合った「支え方」や「やり方」を工夫すれば、役割を作ることはできるはず。
その問いに対し、現場で泥臭く答えを探し続けてきた結果が、今の「出張ボッチャ」という形なのです。
道具や練習よりも先に、必要だったもの
「出張ボッチャ」の話をすると、「チームを作って、練習を重ねて、学校や企業へ営業に行った」という、目に見える活動に注目が集まりがちです。
でも実際には、その前にもっともっと大切な「地耕し」の時間がありました。
ご家族にどう理解していただくか。
利用者さん本人に、どうやってワクワクを伝えるか。
スタッフ一人ひとりがどう受け止め、自分たちの仕事として誇りを持てるか。
施設として、なぜ今この挑戦が必要なのかをどう共有するか。
新しい挑戦ほど、最初に必要なのは道具ではなく「土台」です。
今回の実践報告では、きれいな成功事例だけではなく、この「見えない道のり」での悩みや葛藤についても、正直にお話ししたいと思っています。
先人たちが耕してくれた大地の上に立って
もう一つ、どうしてもお伝えしたい裏話があります。
今、私たちがこうした挑戦ができているのは、決して私たちだけの力ではありません。
これまで「障がいのある人が生きやすい世の中」を目指し、一歩一歩道を切り拓いてこられた多くの先人たちのおかげです。
地域で暮らすこと、学ぶこと、働くこと、出かけること、役割を持つこと。
今では少しずつ語られるようになった「当たり前」も、かつては「それは無理だ」と一蹴されていたことばかりでした。
制度を整え、場を作り、社会に問いかけ続けてきた先人たちがいたからこそ、今、私たちはそのバトンを受け取ることができています。
もしその積み重ねがなければ、出張ボッチャも、アンドナという会社すらも存在していなかったでしょう。
私は、この取り組みを「新しいことをしている」と軽やかに言いたくはありません。
むしろ、これまでの障がい福祉が積み上げてきた歴史への感謝の上に立つ、「次の一歩」でありたいと考えています。
この「実践報告」で皆さんと共有したいこと
プログラムは約90分間。
大切にしているのは、当事者であるノーサイド・ジェッツの選手たちが、自分の役割と仕事を、自分自身の言葉で語る時間です。
たとえば、こんなことをお話しします。(メインの登壇者は、ノーサイドさんのスタッフと選手です)
・なぜ生活介護施設から「出張ボッチャ」という仕事が生まれたのか
・最初の壁は外ではなく、身近な関係者の「理解」だったこと
・どうチームを作り、どう対価をいただける仕事へと育ててきたのか
・良い取り組みを作るだけでなく、どう発信して信頼を得てきたのか
・生活介護の現場だからこそ見えてきた、仕事づくりの可能性
福祉の現場で日々奮闘されているスタッフの皆さま、管理者の方々、そしてご家族や学生の皆さま。
「うちの現場でも、何か新しい一歩を踏み出したい」
「重度障がいのある方の可能性を、もっと一緒に信じたい」
そんな想いを持つ方々に、ぜひ聞いていただきたい内容です。
重度障がいのある人たちの思いを、福祉と社会が一緒になって形にしていく。
そんな挑戦の輪が、この実践報告を通じて全国に広がっていくことを願っています。
ご依頼やご相談は、まずは気軽な「お問い合わせ」からで構いません。
皆さまと、そして皆さまの現場とつながれることを、心から楽しみにしています。
▼「出張ボッチャの実践報告」詳細・お問い合わせはこちら
担当:アンドナ のむら
お問い合わせフォーム
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