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「どなたにでも全部をお話するのですが、真似するホテルはないんですよね」

2024.04.21

こんにちは ぷろちゃれ管理人の野村です。

今回は、私が障がい福祉に関わる前のホテル運営の話です。

私は16年間不動産会社の管理部門で、経理のお仕事をしてきました。
なので、今でも会計データの入力は得意ですし、小規模の会社なら決算業務まで行えます。
その後、障がい福祉サービスを行う会社で10年間務めることになるのですが、不動産会社と障がい福祉サービスの会社の間にもあれこれと仕事をしていた期間がありました。

その間に行っていたのが、ビジネスホテルの運営です。
もともとは、営業育成のサポートを行うコンサルティング会社でした。そこからいろいろとあり、ビジネスホテルの運営を行うことに。当時の社長と一緒に、初めてのホテル運営にチャレンジすることとなったのですが、その物語には、1本の映画になるくらい波乱万丈な面白ストーリーが詰まっていますが、それは割愛します。

ホテル経営について何も知らなかった社長と私は、知り合いのつてをたどり、何件かのホテル経営者へお話を聞きに伺いました。
お忙しい中、素人の私たちに時間を割いていただいたことは、本当に感謝しています。

その中の1件のホテル経営者のお話が、今でも心に残っています。

そのホテルは、常に90%以上の稼働率を誇っていました。立地はもちろんいいのですが、それだけではなく、お客様への無料サービスが盛りだくさんで、それが評判を呼び、口コミ評価も高くお客さんが絶えないホテルです。

私たちが伺ったときに、社長さんは、「何でも聞いてください。そして真似をしてください。」と言ってくださり、集客方法やサービスについて、包み隠さず教えてくれました。
ただ「どなたにでも全部をお話するのですが、真似するホテルはないんですよね」ともおっしゃっていました。

話を聞いたときは、なるほどなるほど、素敵なアイデアですね!と思い参考にしようと考えていましたが、結局は、立地が違うし、客層も違うし、と参考程度にとどめるに過ぎませんでした。私たちも話は聞くけど、真似はしなかったホテルの一つになりました。

今考えると、あのとき、「何でも聞いてください。真似してください。」とおっしゃっていた気持ちの裏側には、たとえ真似してもうちのホテルと同じことはできないという自信があったのだろうと思います。

あのころは、上手く行っている人に教えを請えば何かヒントになるのではないかといいう思いがありました。
でも、ただ外側だけを真似て整えても、想いがなければ上手く行かないことに気づきました。
外側を整えること、そして、想いを共有し自分たちで考えること。両方大切。

あのホテルはなぜ稼働率が高く、口コミが良かったのか、それは、アイデアや設備も大切ですが、お客様をおもてなしする心をしっかりと育てており、そこは簡単にはまねできないところだから。その自信が経営者にはあり「何でも聞いてください。真似してください。」に繋がったのだろうと思います。

「想いを共有し自分たちで考えること」
これに向き合う毎日の中で、過去のいろいろな経験が思い出されます。
あれこれと関わってきて、何の専門家にもなれなかった私ですが、そのあれこれが今の私の大切な財産です。

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