WHYと価値を届ける時間。八尾市のノーサイドさんで「障がい福祉を前に進める」お話をしました

こんにちは、アンドナの野村です。
先日、八尾市を中心に障がい福祉施設を展開されている「ノーサイド」さんの子どもの施設で働くスタッフの皆さんに向けて、お話をさせていただく機会がありました。
テーマは、「障がい福祉を前に進める~ノーサイドが社会とつながる理由~」です。
ノーサイドさんでは、大人の施設を中心に、社会とつながるさまざまな活動を行っています。
障がいのあるボッチャ選手が学校や地域へ出向く「出張ボッチャ」。
建築現場の仮囲いをアートで彩る「なくなるかべプロジェクト」。
福祉施設を企業研修の場として活用する「ぷろちゃれ」。
どれも、福祉施設の中だけで完結しない、社会と広くつながっていく大切な取り組みです。
今回、ノーサイドの高木さんからお話をいただいたとき、こんな想いを伺いました。
「大人の施設で行っているこうした活動が、子どもの施設のスタッフさんにとっては、少し遠い話に見えているかもしれない」と。
同じノーサイドという組織の中で行われている活動だけれど、具体的に何をしていて、なぜ社会とつながろうとしているのか。
その背景を、子どもの施設の皆さんにも知ってもらいたい。
そしてそれを、活動を一緒に進めているアンドナから話してほしい、という本当にありがたいご依頼でした。
「何をしているのか」の奥にある「なぜ(WHY)」を届けたい
お話の準備を進めながら、私は改めて「何を話せば、皆さんの心に届くのだろうか」と考えました。
出張ボッチャの内容を詳しく説明すること。
なくなるかべプロジェクトのワクワクする流れを紹介すること。
もちろん、それも大切です。
でも、活動の内容(WHAT)を説明するだけでは、本当に伝えたい根っこの部分には届かないのではないかと思いました。
大切なのは、「何をしているのか」だけでなく、「なぜ、それをしているのか」。
つまり、「WHY」の部分です。
なぜノーサイドさんは、施設を飛び出して社会とつながろうとしているのか。
なぜ高木さんは「障がい福祉を前に進める」と言い続けているのか。
なぜ福祉を、施設の中だけで終わらせたくないのか。
その「WHY」が共有されて初めて、一つひとつの活動の本当の意味や価値が見えてくるのだと思います。

私自身が、ノーサイドさんに背中を押してもらった一人です
実は、今アンドナが取り組んでいる「福祉と社会をつなぐ活動」の始まりには、八尾市のノーサイドさんの存在があります。
アンドナを設立したばかりの3年前、私は「ぷろちゃれ」という取り組みを始めようとしていました。
福祉施設を企業研修の場にして、重度の障がいのある方たちと一緒に過ごす時間を通して、企業の方に福祉の現場や人との関わりについて体感してもらう取り組みです。
そのとき、まだ何の実績もなかった私の話を聞き、一番最初に「おもしろいね、やろう!」と前向きに協力してくださったのがノーサイドさんでした。
八尾市のカフェで熱弁する私の話を聞いていただいたことを、今もよく覚えています。
今思えば、あのときノーサイドさんが受け止めてくださったからこそ、私は「福祉の中にある価値は、社会とつながることで広がっていく」ということを、確かな実感を持って考え始めることができたのです。
そこから、「出張ボッチャ」や、「なくなるかべプロジェクト」など、今につながるさまざまな取り組みの芽が少しずつ育ってきました。
前向きに取り組んでくださったスタッフの皆さんにも本当に感謝しています。
だからこそ、今回「障がい福祉を前に進める」というテーマでお話しする機会をいただいたことは、私自身にとって、これまでの感謝をお返しするような、とても大切な時間でした。
子どもたちの「未来のモデル」をつくるということ
今回のお話で私が一番大切にしたかったのは、活動の紹介ではなく、その奥にあるWHYと、そこから生まれる「価値」をお伝えすることでした。
ノーサイドさんが社会とつながる活動は、決してイベントを増やすためではありません。
外向きに目立つための広報活動でもありません。
障がい福祉の中にある力や魅力を、社会の中で出会える形にしていくこと。
障がいのある人が「支援される人」という枠を超えて、社会に価値を届ける存在になっていくこと。
学校や地域、企業と出会うことで、社会の福祉への見方が少しずつやさしく変わっていくこと。
その積み重ねこそが、「障がい福祉を前に進める」ということなのだと感じています。
そして、これらの活動は「大人の施設だけの特別なもの」ではありません。
今、大人の利用者さんが社会とつながり、役割を持ち、誰かに価値を届けている姿は、子どもたちの「未来のモデル」になります。
子どもたちが大人になったとき、福祉の中だけで生きるのではなく、社会の中で自然につながりながら生きていけるように。そのための道を、ノーサイド全体で少しずつ耕しているのだと思います。
だからこそ、子どもの施設で働くスタッフの皆さんの日々の支援も、社会とつながる活動と決して遠いものではありません。
子どもたちと向き合い、経験を重ね、できることを増やし、その子らしさを育てていく。
そのあたたかな日々の積み重ねが、将来の社会参加や挑戦につながっていくのだと思います。
大人の施設で行われている活動は、子どもたちの未来をつくる取り組みでもある。
そのことを、私自身も改めて深く感じながらお話しさせていただきました。

外部の伴走者だからこそ、お返しできる言葉がある
今回、私は外部の立場としてお話をしました。
活動の想いや価値は、高木さんご自身が語ることも、もちろんできます。
でも、いつも外から伴走させてもらっている私だからこそ、お伝えできることもあるのではないかと思いお話をさせていただきました。
私は、ノーサイドさんの取り組みに本当に価値があると感じているから、一緒に活動を続けています。
「自分たちの価値」を自分たちで語ることも大切ですが、外から関わっている人間が、「皆さんの取り組みには、こんな価値があるんです」と言葉にして伝えることで、届くこともある気がしています。
それは、評価するとか、上から目線で何かを語るということではありません。
一緒に活動してきた中で、私自身が感じてきたこと。
外から見て、すごいな、面白いな、社会にとって大切だなと思ってきたこと。
それを、私の言葉に乗せてお渡しする時間だったように思います。
見えない価値を言葉にする。それがアンドナの仕事
今回の機会は、私自身が「アンドナの仕事」について改めて深く考える時間にもなりました。
アンドナが行っているのは、単に研修でうまく話すことでも、きれいなパンフレットを作ることでも、読みやすい文章を書くことでもありません。
その施設が何を大切にしているのか。
なぜその活動をしているのか。
その先に、誰にどんな価値が生まれているのか。
現場の中に眠っている、まだ言葉になっていないWHYや価値を見つけ、整理し、伝わる形にしていくこと。
それが、アンドナが一番大切にしている仕事なのだと、再確認しました。
「こんな活動をしています」「こんな実績があります」という事実は、もちろん大事です。
でも、それだけでは、本当の価値はなかなか外へ伝わりません。
その奥にある想いと、その先に生まれている価値を言葉にしていくこと。
福祉施設の中には、まだ言葉になっていない素晴らしい価値がたくさんあります。
日々の支援の中にある価値。
利用者さんや子どもたちの小さな変化の中にある価値。
スタッフの皆さんの、あたたかいまなざしの中にある価値。
それらを一緒に見つけ、言葉にし、必要な人に届く形にしていく。
アンドナは、これからもそんな伴走を大切にしていきたいと、強く思えた一日でした。
ノーサイドの皆さん、ありがとうございました。
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