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【現場レポート】重症心身障がい児に落語は難しい?奈良市のRicora(リコラ)で感じた“心の冒険”

2026.03.03

こんにちは、アンドナの野村です。

先日、奈良市にある重症心身障がい児童放課後等デイサービス「Ricora(リコラ)」さんの5周年記念事業にお邪魔してきました!

先週の「雅楽」体験に続き、今回はなんと施設に落語家さん(月亭文都さん!)がやってくるという特別なイベント。いつもの施設内が、パッと華やかな寄席の空気に包まれました。

障がいのある子どもたちに「落語」は難しい?

Ricoraに通う子どもたちの多くは、身体と知的に重度の障がいを重複している「重症心身障がい児」です。

このような企画を聞くと、
「普通の小学生でも落語は難しいのに、子どもたちは理解できるの?」
「見せる意味はあるのかな?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。
もしかすると、ご家族の中でさえ「うちの子には落語なんて興味ないだろうし、意味があるの?」と思われることもあるかもしれません。

正直なところ、子どもたちが落語を見てお話の内容を頭で「理解」しているかどうかは、誰にもわかりません。
表に反応が出にくいだけで、実はしっかり聞こえていて楽しんでいるかもしれないし、そうではないかもしれない。

わからなくても「感じる」ことの大切さ

でも、一つだけはっきりと「わかっていること」があります。
それは、それぞれの子どもがその子なりの受け止め方をして、「いろんなことを感じている」ということです。

当日の落語会でも、落語家さんのお話を興味深げにじっと見つめる子がいれば、全く違う方向を向いている子もいました。
もしかしたら「つまらないなぁ」と感じている子もいたかもしれません。

でも、それでいいんだと思います。
「つまらない」と感じることだって、落語という場を経験しなければ決して湧き上がらない感情です。

わかる、わからないではなく、とにかくたくさんの経験をすること。
その中から「好き」「嫌い」「楽しい」「悲しい」といったいろいろな感情が湧き上がり、心が動く経験になってほしい。
施設のスタッフさんたちは、そんな想いを胸に日々子どもたちの支援にあたり、こうしたイベントを企画されているのです。

「障がいが重いから」「どうせ言葉がわからないから」といって、何もしなくていい理由には決してならない。
スタッフさんたちの温かくも強い想いが、その姿からひしひしと伝わってきました。

私自身の「わからなかった」思い出

子どもたちの様子を見ながら、ふと、私自身が小学生だった頃のことを思い出しました。

学校の行事で「狂言」を見る機会があったのですが、あの時は内容が全くわからず、面白さも正直わかりませんでした(笑)
でも大人になった今ならわかります。
あの企画をしてくださった先生たちは、私たちが「普段なかなか触れることのない文化」に出会うことを大切に思い、機会を作ってくださったのだと。

実は、私自身も「生の落語」を聞くのは今回が初めてでした!
最初はドキドキしましたが、昨日会場で空気を肌で感じたことで、「もっと落語の面白さを知りたいな」「機会があれば、また落語の世界を覗いてみたいな」という新しい気持ちが芽生えました。

リコラさんが大切にする「心の冒険」

Ricoraさんが掲げる目標の一つに、「子ども心と共に、ワクワクの冒険を楽しむ」という素敵な言葉があります。

冒険というのは、どこか遠くへお出かけすることだけではありません。
初めて見る落語家さんの身振り手振りに、「なんだろう、これ?」と不思議に思ったり、「なんだか面白くないなぁ」と感じたりすることさえも、心を動かす立派な体験であり、まさに「心の冒険」です。

重度の障がいがある子どもたちにとって、生で落語を見る機会は、もしかすると人生で最初で最後になるかもしれません。
だからこそRicoraさんは、子どもたちがいろいろな体験ができるようにと心を砕いているのだと、改めて感じました。

出張ボッチャに込める、私たちの想い

体験してみること、やってみること、そのものにかけがえのない意味がある。
このことは、私たちアンドナが企画している「出張ボッチャ」にも通じています。

出張ボッチャも、子どもたちにいろいろな経験をしてもらえたらという想いでお届けしています。
ただ「ボッチャをして遊ぶ」というだけでなく、「障がいのあるプロの選手と触れ合ったな」「楽しかったな」という経験が、子どもたちの心に残ること。

そこからボッチャを好きになってもらい、そして「障がいのある人」のことについても考える、そんなあたたかい機会になれば嬉しく思います。

今回Ricoraさんで感じたように、学校で「出張ボッチャ」を企画してくださる先生方も、子どもたちのために「貴重な体験」を用意してくださっています。
その先生方の熱い想いに応えられるよう、私たちも毎回、子どもたちに心から楽しんでもらえるよう全力で取り組んでいきたいと強く思いました。

Ricoraさん、5周年本当におめでとうございます!
そして、今回も子どもたちとの素敵な「冒険」に同席させてくださり、大切な気づきをありがとうございました。


重症心身障害児童デイサービスRicora(リコラ)
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