【仕事】京都芸大×ノーサイド×稲継工務店 ~ノーサイドSTUDIOの高木さんへインタビュー~
重症心身障がい者の可能性を広げる
今回のプロジェクトへアート作品を提供してくださったのは、ノーサイドSTUDIOのみなさん(大阪府八尾市)。チャレンジする人が少ない重度の身体障がいのある方たちのアート活動を始めたのは2020年のこと。「筆が持てないのにどうやって絵を描くんですか?」スタッフからの猛反発から始まったアート活動。そして、試行錯誤しながらアートを続けてきた想いを、ノーサイドを統括する高木さんに伺いました。
アート活動を始めたきっかけ
筆を持てない人たちのアートへの挑戦
ノーサイドでアート活動を始めたのは2020年。当初はスタッフから猛反発を食らいました。ノーサイドの利用者さんは、重度の身体障がいのある方たち。手が使えない方も多く、絵を描くための筆が持てません。一体どうやって絵を描くのか?スタッフにとっては、普段の生活の支援も大変なところに、新たな無理難題が降りかかってきたようなものだったのです。
ただ、その頃からロボットやAIが人間に代わり活躍する時代になると言われており、現在多くの作業所で行っている内職などの軽作業は、これからどんどん先細りになっていくと感じていました。そして、そもそも私自身が、利用者さんに内職などの単純作業をしてもらうことに気が乗らなかったこともあり、クリエイティブなアートに挑戦してみよう!と思ったことが、アート活動を始めるきっかけです。
4年間のアート活動
試行錯誤を重ねながらなんとか形にしてきた4年間
アート活動を始めた当初は、どのように進めていけばいいのか分からず試行錯誤の毎日でした。その後、アートを指導してくださる先生に来ていただくことになり、徐々に形になって行くことに。4年経った今では、コンクールに出品して受賞することも多くなってきました。そして、アートを使った商品も販売するなど精力的に活動しています。とは言え、コンスタントな売り上げは出せていませんし、利用者さんへの安定的なお給料にはまだ繋がっていません。また、作品を見ていただく機会も多くはないというのが現状です。
今回のプロジェクトについて
異なる環境で生きてきた同世代の若者の共作に期待
ノーサイドSTUDIOで活躍している利用者さんの年齢は21~24歳。今回の京都芸術大学の学生さんと同世代です。全く違う21年間を過ごしてきた若者が、このプロジェクトで交差する。そして、仮囲いのデザインを通じて一緒に一つの作品を作るということがとても良い企画だと感じています。ノーサイドの利用者さんにとっても良い経験になるし、学生さんにも何かを感じていただけると嬉しく思います。
新たな出会いがどう作品に反映するのか、とても楽しみにしています!
ノーサイドSTUDIOの目指すところ
アートで利用者さんの可能性を広げていく
最近は、超一流ブランドが障がい者アートの活用を始めるなど、注目を集めるようになってきました。そこには、ただデザインが良いだけというのではなく、体験や時間、物語を求めるようになってきていることを感じます。私たちのアート活動にも様々な可能性を秘めているのではないでしょうか。
ノーサイドSTUDIOのアート作品を、いろいろな形で使っていただくことで可能性は無限大に広がります。多くの方と関わることで、若くやる気に満ちた彼らの可能性を一緒に広げていきたいと思っています。
++++++++
ノーサイド統括 高木康弘
大学卒業後、大手金融会社で勤務
外国為替トレーダー、美容室経営、パソコン教室経営を経て2013年福祉業界へ
株式会社BIRTHMAN 代表取締役
八尾市こども部会 会長
趣味は株価分析
最近ハマっているのは登山と観葉植物
++++++++
プロジェクト詳細
【産学福連携】「障がい者アート×京都芸術大学生×建築会社」建築現場の仮囲いを、地域をつなぐ人気者へ!デザインで社会課題を楽しく解決するプロジェクトが始動
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000139354.html
++++++++
ノーサイドSTUDIOの作品
ノーサイドさんのこと
大阪府八尾市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市で障がい福祉サービスを行っている事業所。
主に重症心身障がい児者と言われる、医療的ケアが必要な方のサポートを行っていることが特徴です。「障がい福祉を前に」とのスローガンを掲げ、新しいことに果敢にチャレンジする施設は、利用者さんもスタッフも若い方が多くいつも活気に溢れています!
ノーサイドのInstagram
大人の施設
https://www.instagram.com/noside_labo_club/
子どもの施設
https://www.instagram.com/noside_spa_house/