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【仕事】「建築の仕事のカッコよさ」とは何か──学生の問いに、社長の言葉が刺さった日

学生さんの質問に答える 稲継工務店の山中社長

こんにちは アンドナの野村です。

先日スタートした、京都芸術大学での「なくなるかべプロジェクト」。
初回の授業では、私たち関係者が学生の皆さんにプレゼンテーションを行いました。

  • 自身の事業のこと
  • 事業の魅力
  • どんな未来を作りたいのか
  • そして、そこに至るまでの課題

学生の皆さんは、私たちの言葉を一言も聞き漏らすまいと、本当に真剣な眼差しで聞いてくださいました。
今回は、その中で私の心が震えた、ある「言葉」について書きたいと思います。

「建築の仕事のカッコよさ」って?

プレゼンターの一人、今回のプロジェクトで場所と技術を提供してくださる「稲継工務店」の山中社長。
彼がプレゼンの中で語った「建築の仕事のカッコよさを伝えたい」という言葉に対して、学生さんからこんな質問がありました。

「山中社長の考える『建築のカッコよさ』とは、具体的にどんなところですか?」

その問いに対する山中社長の答えに、私はグッときてしまいました。

「建築業や職人さんのイメージって、もしかしたら『ガラが悪い』とか『ちょっと荒っぽくて怖い』というイメージがあるかもしれません。
でも、建築の仕事は『賢くないと』できないんです。
図面を読み解き、立体をイメージし、緻密に組み上げていく。 現場の専門家のみなさんは、本当にとても賢い方たちなんです。その知的なカッコよさを、私は伝えたい。」

社長だからこそ見える、リスペクト

さらに、山中社長はこう続けられました。

「設計や建築の資格を取ることはとても難しく、私にはできません」

企業のトップである社長が、社員や職人さんの技術を心から認め、「自分にはできないすごいことをやっている人たちだ」と公言する。
その姿勢に、現場の皆さんへの嘘のない、深いリスペクトをひしひしと感じました。

実は、山中社長はもともと大学卒業後に異業種で活躍されていて、5年前にこの建築会社の社長に就任されたという経歴をお持ちです。
ずっと建築畑にいたわけではないからこそ、客観的な視点で、職人さんたちの「凄み」や「賢さ」に気づき、感動できるのかもしれません。

2020年からのご縁

私と山中社長の出会いは、2020年に入学した社会人大学院の同期としてでした。
30代と40代が中心の同期の中では、20代と最年少。見た目は、さわやかイケメンです。
当時は「お父さんの会社を継いだ若社長なのかな?」と勝手に思っていたのですが、実は全く関係のない会社を、しかも未経験の業種を社長として引き継がれたのだと後で知りました。

異業種から飛び込み、歴史ある建築会社の舵を取る。
そこには、私の想像もつかないようなご苦労や、たくさんのストーリーがあったはずです。
でも、だからこそ今の「社員を尊敬し、業界のイメージを変えようとする」山中社長の温かい言葉があるのだと思います。

「見えているイメージ(壁)」の向こう側にある、本質的な価値を伝えたい。
それは、アンドナが福祉の世界でやろうとしていることと、とてもよく似ています。

山中社長の秘められたストーリーも、またいつかじっくりとお聞きしたいと思っています!

株式会社 稲継工務店
https://inatsugu.co.jp/


なくなるかべプロジェクトとは?

建築現場は騒音や安全面から、時に「街の迷惑者」と感じられがち。その仮囲いを「街に楽しさと豊かさを生み出すメディア」として再定義するプロジェクト。
京都芸術大学の学生がノーサイドSTUDIO(重症心身障がい者施設)のアート作品を活用し、建築現場の仮囲いをデザイン。授業の課題として、デザインの力で街の景観に新たな価値をもたらすことに取り組みます!
このプロジェクトは、学生には実践的な学びを、建築業界には新たな価値観の創出を、障がい者アーティストには社会とのつながりを提供し地域全体で楽しめる「産学福連携」の試みです。

【産学福連携】プロジェクト関係者

株式会社稲継工務店(京都府京都市) https://inatsugu.co.jp/
ノーサイドSTUDIO(大阪府八尾市)https://www.instagram.com/noside_labo_club/
株式会社ねき(京都府京都市) https://www.neki.co.jp/
非営利型株式会社andna(大阪府枚方市) https://andna.co.jp/
学校法人 瓜生山学園 京都芸術大学 https://www.kyoto-art.ac.jp/

2025年のなくなるかべプロジェクト(京都府向日市)
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