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【仕事】なくなるかべプロジェクト|お披露目会レポート

――参加者の声から見えてきたもの

なくなるかべプロジェクトのお披露目会が無事に終了しました。
完成した仮囲いを前に、それぞれの立場からたくさんの感想や学びが語られました。今回は、参加いただいた皆さんの声をまとめてお伝えします!

京都芸術大学 学生さんの声

正直、この授業を取ったきっかけは“単位を取るため”でした。軽い気持ちで受けた授業が、まさかこんなに大きなプロジェクトに広がるとは思っていませんでした。
最初は“障がい者アート”と聞いて、どう関わればいいのか戸惑いました。
気を使うべきなのか、普通に接すればいいのか、そのバランスが分からず不安だったんです。
でも作品を見た瞬間、『障がい者のアート作品』ではなく『一人のアーティストの作品』として心に響きました。
どう生かせばもっと魅力が伝わるかを考えるうちに、自然と同じアーティスト同士として尊重する気持ちに変わっていきました。
完成した仮囲いを見て、ここから社会とつながっっていくことを実感しました。

坂田先生(京都芸術大学)の声

普段の授業は、あくまで仮定の課題です。『もしこういう依頼があったら、どうデザインするか』という想定で進めます。
今回のように、実際の社会の現場と関わる機会は学生にとっても特別です。
障がい福祉という、大人でも答えを出しきれないテーマに、真正面から向き合った学生たちの姿に大きな成長を感じました。
議論の中で“障がい者アート”という言葉をどう捉えるか、真剣に話し合っていたのも印象的でした。
作品を『障がい者のもの』ではなく『アーティストのもの』として扱おうとする姿勢は、まさに“壁がなくなった瞬間”だったと思います。

ノーサイドSTUDIOさんの声

アーティストの感想
自分の描いた絵が仮囲いの中に使われるなんて思ってもいませんでした。本当に嬉しかったです。

統括の高木さん
僕たちは普段、外の人と関わる機会がほとんどありません。だから学生さんや建築会社の方とオンラインで打ち合わせをした時間は、それだけでも嬉しかったんです。それが作品になって形に残ったことに感動しました。
障がいがあるからこそ筆を持つのも難しく、1枚描くのに3〜4か月かかることもあります。
それでも描き続けてきた絵が、こんなふうに多くの人とつながるきっかけになるとは思いませんでした。

稲継工務店さんの声

工事現場の仮囲いは、どうしても街の人には“邪魔もの”に見られがちです。でも私は仮囲いを、街とつながる“白いキャンバス”だと考えました。
学生さんにお願いしたのは、“邪魔ものを人気ものに変えてほしい”という課題。それを見事に形にしてくれて、本当に驚きました。
これは単なる飾りではなく、人と人が出会い、新しい会話を生む仕掛けになったと思います。
これからも、こうした取り組みを続けて、地域にとって意味のある工事をつくっていきたいと思います。

アンドナ野村の感想

「このお披露目会で感じたのは、大学・建築会社・福祉が合わさったからこそ生まれた空気でした。関わる人が増えることで、気づきや学びがどんどん広がっていくのを実感しました。
実際に地域の方が仮囲いの前で足を止め、じっと作品を眺めている姿を見かけました。その瞬間、このプロジェクトが地域を巻き込み始めたことを確信しました。
“なくなるかべ”という名前の通り、壁が消え、社会とつながる新しい景色が見えてきました。
これからも新しい世界を開いていけるよう、挑戦を続けていきたいと思います。

おわりに
今回のお披露目会では、立場の違う人々が同じ場で思いを語り合い、“なくなるかべ”という名前の通り、さまざまな壁を越えてつながることができました。
これからどのように広がっていくのか、ますます楽しみです!

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