【仕事】なくなるかべプロジェクト|名前の由来とその背景

こんにちは アンドナの野村です
なくなるかべプロジェクトのお披露目会が9/24に開催され、感じたことや気づき、学びがあふれるプロジェクトとなりました!
このブログでみなさまにお伝えしていきたいと思います。
今回は、まず「なくなるかべプロジェクト」というプロジェクト名について。
名前が生まれるまで
プロジェクトが始まった当初は、名前がありませんでした。
デザインの打ち合わせが進む中で、京都芸術大学の学生さんに考えていただいたのが、この名前です。
学生さんはこう話してくれました。
「最初にプロジェクトの背景を伺ったとき、アーティストさんや稲継工務店さんが大事にしているのは“社会や地域ともっとつながりたい”という思いだと感じました。そこで“社会との壁をなくす”という意味と、建物ができたら仮囲い自体がなくなるという意味を込めて、“なくなるかべ”と名付けました」
シンプルで覚えやすい響きの中に、二重の意味が込められています。
学生さんの視点の変化
お披露目会では、授業中のエピソードも紹介されました。
最初は「障がい者のアート作品」という言葉にどう向き合えばいいのか、学生さんたちは戸惑っていたそうです。
授業では、「障がい者アート」という言葉の意味をめぐって熱い議論が交わされ、時には白熱しすぎて授業が進まなくなるほどだったと坂田先生は語ります。
けれども時間をかけて意見を出し合ううちに、少しずつ変化が生まれていきました。
「障がいがあるから特別な作品」ではなく、
「ひとりのアーティストの作品としてどう生かすか」
とらえ方が変わっていったのです。
私はその話を聞いて、とても嬉しくなりました。
学生さんたちが“障がい者だから”ではなく同じアーティストとして真正面から作品に向き合ってくれたこと。
その瞬間こそ、まさに“壁がなくなる”ことを体現していたのだと感じました。
学生さんの課題発表では、障がいのあるなしではなく、作品を「アート」として尊重してくださっていることが伝わってきたのです。

ダブルミーニングに込められた思い
「なくなるかべ」には、2つの意味があります。
- 社会の壁をなくす
福祉と地域、アートと日常。そのあいだにある目に見えない壁をなくすこと。 - 仮囲いがなくなる
建物の完成とともに役目を終える仮囲いが、消える前に街を彩るキャンバスになること。
議論を重ねた学生さんたちの学びや変化が、この名前に込められています。

地域を巻き込むプロジェクトへ
お披露目会の朝、仮囲いの前で足を止めて作品を眺めている地域の方の姿を見かけました。
その光景に胸が熱くなりました。
仮囲いが完成したことで、このプロジェクトが地域を巻き込み始めたのだと実感した瞬間です。
まさに「なくなるかべ」の名のとおり、壁をなくしながら人と人をつないでいることを感じました。
これからも、この壁がなくなるその日まで。
そして壁がなくなったその先にも、福祉×アート×企業×地域がつながり続ける風景を、みなさんと一緒に育てていきたいと思います。
