【タネまき福祉研究所】10年前はまだ出会っていなかった。Ricoraのミライをつくる「リコラのミライ地図」

こんにちは、アンドナの野村です。
タネまき福祉研究所では、福祉施設の運営サポートのひとつとして、奈良市の重症心身障がい児デイサービス「Ricora(リコラ)」さんで、毎月「リコラのミライ」という時間をご一緒しています。
この時間は、施設の理念を共有し、深く理解し、日々の行動へとつなげていくための大切な時間です。
そして、2026年5月から新しく始まったのが「リコラのミライ地図」。
スタッフみんなで、これからのリコラを具体的に描いていく取り組みです。
ミライを考える前に、まずはアイスブレイクから
「リコラのミライ」は、毎月2時間。
でも、いきなり本題の会議に入るのではなく、まずはみんなで「アイスブレイク」をして、場をあたためるところから始まります。
私は、この時間がとても好きです。
いろいろなアイスブレイクを通して、みんなで笑って、少し緊張がほぐれて、空気がやわらかくなってからミライの話が始まる。
その自然な流れがあるからこそ、前向きで率直な対話が生まれるのだと思っています。
今回のアイスブレイクでは、スタッフの皆さんにタイムマシンに乗っていただきました。
10年前の自分をたどる時間
「リコラのミライ地図」では、これからのリコラを一緒に考えていきます。
そのために今回は、一度10年前まで戻ってもらい、以下のことを一人ずつ話していただきました。
・10年前は何をしていたのか
・どんな人と、どんな毎日を過ごしていたのか
・どんな思いで暮らしていたのか
Ricoraができて5年。
ということは、当然ながら10年前には、今このチームにいるメンバーはまだ出会っていません。
当たり前のことなのですが、それを改めて考えるととても不思議です。
10年前にはまったく見ず知らずだった人たちが、今こうして同じ方向を向いて、同じ施設のミライを考えるチームになっている。
そう思うと、人のご縁って本当に面白いなぁと感じます。
あの頃は、今の未来なんて想像もしていなかった
10年前の話を聞いていくと、皆さん本当にそれぞれ違う場所で、違う毎日を生きていました。
まだ高校生だったスタッフさん。
お子さんを出産したばかりだったスタッフさん。
岡山で働き始めたばかりだったスタッフさん。
本当にみんな、まったく違う環境で、バラバラの人生を歩んでいました。
でも、その一人ひとりにちゃんと物語があって、話していくうちに自然と笑いが起こったり、「そんなことがあったんや!」と驚いたり、とても盛り上がるアイスブレイクになりました。
私は話を聞きながら、こんなことを思っていました。
「10年前には、このメンバーでこうして一緒に仕事をしているなんて、誰も想像していなかったはず。でも今、確かにその未来がここにある」と。
そう考えると、これから5年後、10年後も、今はまだ想像もしていないような素敵な未来が待っているのかもしれません。
そう思うと、とてもワクワクします!

私にとっての10年前と、今につながる経験
そして、私にとっての10年前、2016年。
当時の私は、障がい福祉施設で働いていました。
その頃、その会社では新しく「アートを仕事にしていく」大人の施設を立ち上げたばかりで、私はその立ち上げの時期から関わらせていただいていました。
でも当時は、アートの経験者も、専門的な知識を持っている人がいませんでした。
そんな中、どうやってアートを仕事にしていくのか。そもそも、どうやって重度の障がいのある人たちが絵を描くのか。筆を握ることが難しい人もいる。手で描くことができない人もいる。
本当に、そんなゼロからのスタートでした。だから、スタッフみんなで試行錯誤の連続でした。
どうやったら絵が描けるのか。
どうしたらアートを仕事にできるのか。どうやったらこの活動の価値を形にできるのか。
少しずつ、少しずつ積み重ねていって、ようやく仕事として芽が出始めたのは、施設ができて2〜3年経った頃だったと思います。
アートの施設にゼロから関わり、みんなで一緒につくってきたこと。
あの時間は、今の私にとって本当に大きな経験になっています。
福祉と社会、両方の視点を持つからこそできること
今、私は「施設の活動を社会につなげる」という立場で仕事をしています。
でもそれができるのは、実際に福祉施設の中にいて、「どうやったらこれを社会に伝えられるのか」「どうしたら仕事になるのか」「どうやったら続いていく形になるのか」ということを、現場のスタッフと泥臭く一緒に考えてきた経験があるからだと思っています。
福祉施設の中にいる人たちの気持ちや葛藤がわかる。
そして、それを社会へつなげようとする側の視点も持てる。
その両方の立場を少しは理解できるからこそ、今のアンドナの仕事や、タネまき福祉研究所での伴走の仕方に生きているのではないかと思います。
福祉施設の立場もわかる。そして、社会との間に立つ仲介者としての立場もわかる。
その両方を行き来しながら、これからも福祉と社会を楽しくつないでいけたらと思っています。
みんなで笑い合ってから、ミライを考える
私は、「リコラのミライ」の前にあるこのアイスブレイクの時間が大好きです。
そして何より嬉しいのは、スタッフの皆さん自身も、この時間を楽しみにしてくださっていることです。
みんなで笑って、盛り上がって、少し心がほぐれてからミライを考え始める。
その流れがあるからこそ、ただの堅苦しい会議ではなく、“みんなでこれからをつくっていく時間” になっているのだと思います。
「リコラのミライ地図」は、これからのリコラをスタッフみんなで描いていくための取り組みです。
どんな施設にしていきたいのか。
そのために何を大切にしたいのか。
そして、どんなふうに行動していくのか。
答えを外から持ち込むのではなく、現場にいる皆さんと一緒に考え、言葉にしていく。
そのプロセスにこそ、大きな意味があると感じています。
リコラの皆さん、今回もとても前向きな良い時間になりました。
いつも本当にありがとうございます!
これからも一緒に、素敵なミライ地図を描いていきましょう。


