Follow us
Cafe andna

喫茶アンドナ

andna仲間のリレーエッセイ

地方暮らしで出会った、少し不思議で豊かな日常 

澤 伸明 まだまだDIYで家をリフォーム中。時に介護士

小学生では「タマネギ」、中学生では「絶壁(後頭部)」、高校生では「ホームベース」があだ名です。

店主野村から澤さんへの質問
Q
子どものころに好きだった絵本を教えてください。
A
「にんじんばたけのパピプペポ」

内容は全く覚えてないのですが、いろんな豚さんやらニンジンやらが出てきてバタバタ楽しかった思い出があります。やなせたかしさんの「アンパンマン」もアンパンがツヤツヤで美味しそうで美味しそうで。あのテカリ具合を覚えています。

地方暮らしで出会った、少し不思議で豊かな日常

都会の喧騒を離れて地方で暮らしていると、思った以上に何百年も続いている「風習」や「文化」など、その土地に根付いたものに触れる機会が増えました。

太平記の時代に後醍醐天皇が隠岐の島に流される旅路で休憩し、「詩」を詠んだ場所がいまだに残っていて、町内会で掃除をしてキレイに管理されている所もあります。戦国時代に毛利氏と宇喜多氏が奪い合った山城跡もたくさん残っています。

時間が止まっているというわけではなくて、「邪魔になるもんでもないし、そのままにしている」という感覚でしょうか。

古民家から出てきた「漫画のような」お宝

そんな「そのまま」の古民家を購入し、何年もかけてDIYで家を直して(壊して?)遊んでいるのですが、とうとうウチにも出ました。

2階の物置の床の一部を剥がしたら、泥とホコリまみれの「刀」が2本。錆びて使い物にならないでしょうが、本物です。剥がした床の板は釘でしっかりと止められていたので、いざという時に戦えるよう、刀を隠していたのでしょう。

「古い家を解体していて出てきました」なんて話を聞いたことはありますが、自分が体験するとは驚きで、思わず「漫画か!」とツッコミを入れました。
現代の我々は恵まれていて、いざとなったら人と殺し合おうなんて感覚はありませんが、100年ほど昔は確実にあったんだなぁと感じさせられる出来事でした。
(ちなみに、古い家から見つかった「刀」などは警察に相談して届け出なければならないそうです)

錆びた刀が我が家から出てくると驚くより恐怖の感情が勝ちます

羨ましくもある「氏神」というつながり

うちの集落には「氏神」の風習が今も残っていて、「氏子」にあたる家々みんなで土地の神様を祀っています。

田畑をされている農家さんも多いので、秋になると神社の祭壇にお酒や米俵をお供えして豊作を祝います。ただ、厳しいことに氏子の高齢化も進んでいて、毎年お祝いの準備をするのが大変になってきているそうです。
確かに、階段を何百段も登って何俵も米を運ぶのは、それだけでも大変な作業です。
それでも、何百年も続いている「自分たちの神様が存在している」という感覚は、少し羨ましくもあります。

参道を登った上の神宮に氏神様が祀られています

750年続く深夜の奇祭「護法祭」

風習の中でも、その地方ごとに個性があって面白いのが「祭り」ではないでしょうか。

私の移住した地方にも、いわゆる「奇祭」と呼ばれるお祭りがあります。毎年、お盆の深夜に行われる「護法祭(ごほうさい)」という、知る人ぞ知るお祭りです。
750年以上も続いており、両山寺という山の中腹にあるお寺の境内で行われます。

神様が憑依した「ゴー様」が寺の境内を走り回り、心身不浄の者を捕まえます。恐ろしい事に、ゴー様に捕まった人は3年以内に死ぬという言い伝えがあります。
「友達がふざけていて捕まって、その後事故で亡くなった」とか、「お父さんの知り合いの何人かが捕まって、みんな3年以内に亡くなったらしい」とか……嘘かまことか、いろんな噂を耳にします。

ゴー様は、先代から引き継いだ大阪在住の方が10年ほどされているそうで、祭りの1週間ほど前から山にこもり、神様が降りてくる準備をするそうです。
遊び半分での参加はよくありませんが、万一捕まっても、お祓いをちゃんとしてもらえば大丈夫なんだとか。ご興味ある方は参加してみるのも面白いかもしれません。

大阪にいた頃は気づきませんでしたが、その土地ごとにいろんな文化があって、その違いに触れるのは楽しいものです。日本文化の厚みと幅広さを感じています。

この季節に1週間だけ咲く「カタクリの花」です。自生するのは珍しいそうです
澤さん

******

~喫茶アンドナ店主 野村より~

3回目の登場の澤さん。田舎暮らしのために、3年前大阪から岡山へ移住されました。
移住生活に興味があり、勝手にリレーエッセイのレギュラーになっていただいています。

自己紹介では「まだまだDIYで家をリフォーム中。時に介護士」となっていますが、実はアートの才能があり、イラストや漫画なども描いているアーティストです。
一緒に福祉施設で仕事をしていたときは、さまざまなイラストを描いていただきました。

一番思い出に残っているのは、ボッチャのキャラクターを作成したときのこと。
キャラクターを私が考え、澤さんが作画。普段はラーメン屋さんの一家が、週末になるとボッチャの達人に変身するという、Mr.インクレディブルのボッチャ版です。
いつかキャラクターが人気になって、アニメ化されたら面白いなーと妄想していました(笑)
私は今でも、わけのわからないキャラクターを生み出すのが好きです。


Q
澤さんから次の方への質問

「ああ、久しぶりに聴きたいな」と思う曲はなんですか?