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喫茶アンドナ

andna仲間のリレーエッセイ

命のバトンを渡す場所、喫茶アンドナの冬の朝

野村由紀 喫茶アンドナの店主

喫茶アンドナでコーヒーを淹れる人。猫好き、温泉好き、岩盤浴好き。行動力のある人見知り。ぷろちゃれ管理人。

松原さんから野村への質問。
Q
好きな観光地(未訪問でもOK)はどこですか。その理由も教えてください。
A
北海道の富良野です。

ドラマ「北の国から」のロケ地巡りができます。
「北の国から」は、子どもだった私に大きなインパクトを残したドラマ。
特に印象に残っているシーンは、純が上京するときの、長距離トラックのドライバーから泥の付いたお札を受け取るシーン。
あー、今思い出しても泣けます~💦

このドラマを見ていない人にとっては、ただの田舎なのですが、見た人にとっては心がギューギューと締め付けられる場所です。
スートーリーを伝えることで、その価値は何倍にも膨らみますね。

命のバトンを渡す場所、喫茶アンドナの冬の朝

「喫茶アンドナ」へようこそ。店主の野村です。

新しい年を迎え、大阪でも冷え込みの厳しい朝が続いています。
このエッセイは、アンドナに関わる人たちの人柄を感じていただくコンテンツ。
温かいコーヒーを飲みながら、気楽に読んでくださいね。

今日は、以前お話しした「保護猫の預かりボランティア」のその後のことを、少しだけ綴ってみたいと思います。

12のご縁と、変わった「心」

預かりボランティアを始めてから、これまでに13匹の猫たちを預かりました。
そして、そのうちの12匹が新しい里親さんのもとへ、温かなご縁でつながっていきました。

大切にお世話をして、新しい家族へと送り出すとき、寂しくないと言えば嘘になります。でも、不思議なことに、その寂しさは命を看取ってお別れするときとは、まったく違う種類のものなんです。

「寂しいけれど、心強くて、嬉しい」

そう思えるようになったのには、あるきっかけがありました。

厳しい「基準」のその先にあるもの

保護犬や保護猫の世界では、「譲渡基準」がとても厳しいという印象を持たれている方も多いかもしれません。
年齢制限や一人暮らしの可否、定期的な報告……。
だから保護猫は避けているんです。という方も少なくないのでは?と思います。

私の所属している団体は、それほど厳しくはないのですが、それでも「なぜそんなに細かく確認するの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実際に活動をしていると、その厳しさの理由もよく分かります。
一度悲しい思いをした命を預けるのですから、どうしても里親さんに対して「あら探し」に近い視点になってしまうこともあるのです。

そんなとき、同じ預かりボランティアの仲間が話してくれた言葉が、私の心に深く残っています。

里親さんに決まったご家庭へ子犬を届けに行ったときのこと。
その里親さんが、嬉しそうにご近所の方へ「今日から、この子がうちの子になったんです!」と、誇らしげに挨拶される姿を目にしたのだそう。
彼女は、その姿を見てハッとしたと言います。

「今までは里親になる人の欠点ばかりを探してしまっていた。でも、こんなに喜んで迎えてくれる姿を見て、大切なことを見落としていたことに気づいたんです。」と。

それ以来、お別れが寂しくなくなったのだそうです。

私も、まさにそうだな、と思いました。
そしてこの気づきは、里親さんのことに限らず、普段のコミュニケーションや人間関係にも通じるものがあるのではないかと感じています。

私たちは知らず知らずのうちに、誰かに対して「ここが足りない」「ここが合わない」と、マイナスの部分にばかり目を向けてしまうことがあります。
でも、その人が見せてくれる喜びや、一生懸命な姿、輝いている瞬間に意識を向けてみると、世界の見え方はガラリと変わるのかもしれません。

誰かの「うちの子」になって、その家がパッと明るくなる。その瞬間に立ち会えることが、このボランティアの本当の醍醐味なんだと感じています。

今、ここにいる「ゴーくん」のこと

この年末年始も、保護施設にはたくさんの猫たちがいます。
スタッフの皆さんは、お正月休みもなく、朝・昼・晩と猫たちのお世話に奔走されています。その献身的な姿には、本当に頭が下がる思いです。

そんな中、今、我が家にいる13匹目の預かり猫は「ゴーくん」という4歳のスコティッシュフォールドです。
ゴーくんは、目が白濁していて(視力はあります)、歯並びもあまり良くなくて、少しよだれが出てしまうこともあります。

ゴーくん

でも、そんなところなんて気にならないくらい、本当にかわいい子なんです。
誰にでも人懐っこくて、スリスリと寄ってきてはゴロゴロと喉を鳴らす。

正直なところ、この子の里親さんを見つけるのは少し時間がかかると思っています。
良い出会いがあればいいのですが、もし里親さんが見つからなければ、ずっとうちにいてもいいよと思っています。

保護猫活動を、グイグイと進めていきたいわけではありません。
ただ、猫と暮らすことが、誰かににとっての「日常の幸せ」を広げる選択肢の一つになったらいいな。
そして、その過程にあるたくさんの「気づき」を、こうして分かち合えたらいいな。
そんなふうに思っています。

今、私の足元ではゴーくんが気持ちよさそうに丸まっています。この穏やかな時間が、いつかまた、誰かの幸せにつながっていく日まで。

今日も私は温かいコーヒーを飲みながら、店主として皆様をお待ちしています☕

喫茶アンドナ店主 野村 由紀

Q
野村から次の方への質問

子どものころに好きだった絵本を教えてください。