喫茶アンドナ
感覚を味わう
なんでも楽しむことが得意です!自然、音楽が大好物。まだまだいろんな事にチャレンジ中の50代。
やらないといけないなーと先延ばしにするクセ、あります!!
やりたいことはササッとできる。一方で、先延ばしにすること=やりたくないor苦手なこと。なので、気合いが必要です。
もしかしたら、ギリギリまで追い詰められるのが好きなのかなぁと感じることも(笑)
最終的には気合いで乗り切ります。
子どもの頃からずっと神戸に住んでいます。小さい頃は夏休みになると松山に住む祖父母の家に遊びに行くのが楽しみで仕方ありませんでした。
古い平屋の日本家屋。庭のちょっと湿った土の匂い、祖母が干した洗濯物のお日さまの香り、祖父が作った小さな池にいる金魚の鮮やかな赤色、いつもピカピカに磨かれた台所のステンレスのシンク。薪をくべて沸かす檜のお風呂の匂い。外にある汲み取り式のトイレ。
今でも五感にしっかり刻みつけられた記憶が瞬時によみがえるので、時々目を瞑って、今は亡き祖父母に会いに行きます。
祖父にはいろんな場所に連れて行ってもらい、思い出もたくさんあるはずなのに、必ず思い出す夏の1日は祖父と妹と3人で近くの田んぼでアマガエルを捕まえた日のこと。
なんてことない日常のひとコマですが、田んぼのそばに腰掛けて、捕まえたアマガエルを手に乗せて3人で見ていた一瞬が不思議なくらい深く心に残っています。
先日、出掛けた先の田んぼの匂いで、この夏の日の一瞬が鮮明に思い出されました。それはタイムスリップしたかのように。
アマガエルも何度も捕まえたし、何ひとつ特別なことでもない、日常の1シーンなのに私にとってはなぜか忘れられない瞬間。
毎日何気なく過ごしている今日のこの一瞬ももしかしたら深く心に残る時間なのかもしれない。
五感に刻むものに意識を向けて、しっかりとその感覚を味わいたいなと改めて思いました。
五感と言えば、数年前に目が見えなくなったことがありました。
コンタクトレンズが原因でしたが、段々と視界にモヤがかかり、視界が閉ざされていく中で感じたのは、視覚以外の聴覚、嗅覚、皮膚感覚が普段より研ぎ澄まされていく感覚でした。
人間ってすごいなぁと体感。
自分の持てる感覚の中で情報を集めようとしている。それは、生きようとすることなんだなぁと感じました。
そして、感覚はどんな言葉を使っても、人と同じ感覚なのかどうかを正確に知ることはできません。
相手がハンディを背負っていてもいなくても、その感覚はその人にしか分からない。
だからこそ、相手に与える感覚には配慮したいなと意識しています。
声のトーンや言葉、表情、匂い、触れ方が分かりやすいところでしょうか。
今日一緒に仕事をする人、プライベートで時間を共有する人、その人達の感覚と自分の感覚を大切に過ごせたら…
自分が触れる音楽、景色、香り、お料理に向ける感覚を大切に過ごせたら、「幸せだなぁ」と感じることが増えるなぁと感じています。
今日の一瞬があの夏の日のように心に深く残る瞬間になるのかもしれない。
本人も意識してなかったであろう、祖父が遺してくれたあの瞬間が、時を経て私のこんな気付きに繋がっています。
おじいちゃん、ありがとう。
私は今日もご機嫌に暮らしています。
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~喫茶アンドナ店主 野村より~
甲斐さんとは、障がい福祉施設に勤務していた頃に出会いました。
甲斐さんの所属する団体と施設のコラボイベントを一緒に企画するなど、多くの接点を持たせていただいています。
出会った頃の私はアート活動の発信に力を入れており、作品の売り込み、商品制作、アート展の企画など、精力的に活動していました。
そんなとき、すーっと自然に施設に飛び込んできてくれ、いつも気にかけてくれたのが甲斐さんです。
駆け出しのアート施設の最初のファンだったのではないでしょうか。
アート作品だけではなく、アーティストのことを好きになってくれて一生懸命応援してくれたのです。
本当に嬉しく心強く思っていたことを今でも覚えています。
あの頃からずっと変わらず、とてもハートの温かい方です😊
甲斐さんのような方が増えれば、障がい福祉と一般社会の垣根が自然となくなっていくのではないかと思っています。
最近一番心が動いたことはなんですか?